機関紙96号 (2014年2月26日発行)



もくじ

写真「蝋 梅」
    撮影 本間昭信

安倍首相の命運は4月に尽きる 
   北村 肇(『週刊金曜日』発行人)

ヒトラーがまたやってくる
   「新春のつどい」開く
   鎗田英三駿河台大教授が講演

太郎の部屋のほっとたいむ ⑰

鈴木彰の「責任をもって癒着を競い合い」

『沖縄からのリポート』
  民意無視した「入札公告」私たちは諦めない
   原田みき子(沖縄在住)

公共放送、NHKは幻想か
   門自省吾(元NHKプロデューサー)

集団的自衛権容認に抗議
   「九条の会」安倍首相を強く批判




蝋 梅(写真)

撮影 本間昭信(中新井在住)



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安倍首相の命運は4月に尽きる

北村 肇(『週刊金曜日』発行人)

 安倍晋三首相の滑舌の悪さはだれもが知っています。さまざまに椰楡されてもいます。これが「もってうまれたもの」なら、ちゃかすのは差別です。でも、そうではなく根本にある幼児性が表出してしまうからだろうと、私は思うのです。

 昨年末の靖国参拝が典型でした。外務省や菅義偉官房長官から、その他多くの取り巻きからも「止めたほうがいい」と進言、あるいは示唆されたのに強行しました。「だって、お友だちに行くって約束したんだもん。何が悪いんだい」といわんばかりの態度。ただただ呆然としました。

官邸権力の肥大化

 米国に「失望」され、さすがに懲りたかと思っていたら、さにあらず。NHK会長に就いた籾井勝人氏の暴言・妄言をかばい、さらには、第一次世界大戦時のイギリス、ドイツの関係に日中を重ね合わせたとみられる発言をする始末。どこまでいっても大人になれない実像を露わにしてしまいました。

 幼児性をもったリーダーほど危うい存在はありません。好き嫌いでしかものごとを判断できず、気に入った友だちしか周りにおけない。思うようにならないと駄々をこねる。ちなみに、橋下徹大阪市長も同類ではないでしょうか。こういうタイプが国のトップになったら冷静な外交など望むぺくもありません。さらにいえば、戦争を「ごっこ」と考えてしまう危険性すら感じます。

 ところが、小選挙区制の弊害で官邸の権力が肥大化したため、わかっているのにいさめる議員がほとんどいません。いまごろになって、稀代の悪法、特定秘密保護法について与党議員の間でも「筋悪の法案だから通らないだろう」と囁かれていたと報じられています。公安調査庁が独自につくり、ぎりぎりまで知らなかった菅官房長官も激怒したといわれています。かつての自民党なら党内調整がつかなかったでしょう。それが、最終的には村上誠一郎議員以外は黙ったままでした。まったくもって恐るべき事態です。

 しかし、あきらめるのは早い。安倍政権の命脈は尽きつつあります。都知事選では残念ながら舛添要一氏が当選しましたが、マスメディアの徹底的な「原発争点隠し」「小泉・細川ブーム隠し」が一つの要因です。おそらく自民党の有形無形の圧力があったのでしょう。逆にいえば、それだけ安倍政権は焦っていたわけです。都知事選では宇都宮派、細川派の対立がありました。でも、このこともまた糧にして、反原発運動は一層、燃え上がると確信します。

廃止の道も開ける

 特定秘密保護法反対運動もまだまだ下火になっていません。前述したように箸にも棒にもかからない欠陥法です。ボロが次々と出てくれば、廃止への道も開けるはずです。

 さらには、米国の安倍離れが間もなく顕在化します。オバマ大統領が4月に来日しますが、「国賓」待遇とはならないようです。日本政府が何度頼んでも、米国がうんと言わなかったからです。これは外交上「あなたの国とは友好関係を結べない」というサインです。これまでの日米関係を考えればありえないことです。靖国参拝に対し「失望」を表明したオバマ政権の最後通牒といっても差し支えないでしょう。

 そして消費税増税。米国はかねてより「消費税は非関税障壁」と批判しており、それを強行した安倍政権に対する報復措置があるのではないかと取りざたされています。

 その場合は、海外投資家が東証から資金を引き揚げ、株が大暴落するというシナリオが現実味をおびます。政権の高い支持率は「円安・株高」によってもたらされているわけですから、安倍政権にとっては大打撃になるでしょう。

 米国頼みはいかがなものかとは思います。しかし、このまま安倍政権が続いたのでは本当に日本は戦争を引き起こすかもしれません。ここは、米国に利用されるのではなく、米国を利用するくらいの覚悟を持たなくてはだめだと思います。大人でない政治家に国政を任せるわけにはいかないのですから。



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ヒトラーがまたやってくる

「新春のつどい」開く 鎗田英三駿河台大教授が講演

 2月8日、大雪のなか、「会」の「14年度、新春のつどい」が地区労会館で開かれました。松が丘在住の鎗田英三さん(駿河合大学経済学部教授)が「ヒトラーがまたやってくる」と題して、ナチスがなぜ政権の座につけたのかを当時のドイツ国内の情勢を資料とビデオを使い詳しく分析し、現代日本との共通点にもふれ、日本でヒトラーを再現してはならないと警鐘を鳴らしました。

鎗田さんの講演要旨 ①

 講演というより、話題の提供ということで、軽く聞き流してください。マルクスは「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」と書いています。一度目は「特定秘密保護法」で、また戦争の道になるのではないか、その点は皆さんが痛感されていることです。二度目の喜劇を起こさないようにする「歴史の曲がり角」にあります。  安倍さんの顔がヒトラーに似てきています。今日のお話はヒトラーがまた来るのかということです。台風と違うので、私たちが、そうさせないことが求められます。

今の日本とよく似ている

 40年近くナチスとドイツの経済史を勉強してきました。ヒトラーが権力を握るまでの課程、握ったあとの課程。いま安倍さんがやっていることはよく似ています。どこがどう似ているのか、どこに違いがあるのか、チャップリンの独裁者で描かれた側面を持っていますが、それだけではありません。ヒトラーのことは知っているようで、あまり知られていないのです。当時のビデオを見て下さい。

 それでは今日の話に入ります。レジュメの最後に年表があります。1918年に第一次世界大戦が終わります。その前には皇帝がおりました。戦争に負けたあと、ドイツに革命が起きます。皇帝は亡命してヴァイマル共和国が成立しました。ヴァイマルは地名ですが、ヴァイマル憲法が出来ました。戦争終結の翌年、ドイツ労働者党が創立されます。このヴァイマル憲法は現在の日本国憲法の源流になります。ここから流れているフランス革命、その二つの流れが日本の憲法です。フランス革命からは基本的人権、しかし、資本家もあれば一方、労働者が存在します。人権の平等といっても資本家が強くなります。そこで、ヴァイマル憲法では労働者の三権を認めています。普通選挙権とともに、いまの憲法と繋がってくる最大の特徴です。ドイツではこの時点で民主的なシステムが出来ます。

経済不安から議席伸ばす

 23年にドイツに大インフレが起きます。その時にフランスにルールを占領され、24年からインフレは収束し、安定する時期に入ります。29年10月、ウォール街での株価大暴落から世界恐慌が始まります。アメリカからヨーロッパに波及していき、その中でナチ党は19年のミュンヘン一揆に失敗して、ムッソリーニのローマ進軍のようにはうまく行かなかったので、ヒトラーも半年くらい刑務所に入りますけれども、そのあと、方向を変えて、議会の中で勢力を伸ばすことに変換していきます。

 経済が安定していた24年から28年の時期は32議席から12議席と低迷していたが、恐慌が始まった30年に107議席になります。恐慌が一番ひどかった32年には230議席。これで第一党になっていきます。

 33年には288議席を獲得し、首相に任命されていきます。わずか13年で政権を獲得します。13年で大きな変化が起きたのです。ナチスは危機の産物でした。なんの危機かといいますと、一つは経済危機です。当時600万人の失業が出ていました。4人に一人の失業の割合で、その中でナチは伸びていきます。ナチは暴力的な政権と思われがちですが、クーデターではなく、合法的・民主主義的に政権に就いたのです。ヴァイマル憲法に基づいて議会で多数派となります。

極右が伸びたとき左翼も

 もう一つの危機は政治的な危機です。30年の選挙ではナチ党が107議席、ドイツ国家国民党41議席、ドイツ国民党31議席、ドイツ民主党20議席、中央党(カトリック政党、公明党のような存在)68議席、ドイツ社会民主党135議席(マルクス、エンゲルスが作った政党)、ドイツ共産党77議席と左翼勢力がナチを上回っていました。32年の選挙でナチ党は倍増の230議席を獲得します。その時でもドイツ社会民主党はほぼ横ばいの133議席。ドイツ共産党は12議席増やして、89議席となりました。左翼も勢力を伸ばしてきたのです。景気が戻ってきた32年の選挙ではナチ党は196議席に後退します。逆にドイツ共産党は100議席に躍進し、左翼勢力は221議席とナチ党を上回ります。左の方が強かったのです。中道的政党が衰退して、左右の政党が伸びていく、そういう形になっていきます。

できなかった統一戦線

 よく問題になるのは、反ファシズムの統一戦線が出来なかったことですが、ドイツ共産党の幹部は革命中に暗殺されます。その時に政権に就いていたのはドイツ社会民主党でした。怨念があまりにもあることから、統一戦線が出来なかったという説もあります。こんな状況も今の日本によく似ています。

 経済的危機からわずか13年間で革命が起こって、憲法が生まれて、民主的な中でヒトラーが政権についてしまうのです。危機の中では歴史の動きが早いのです。日本もそうです、少し前には民主党が政権についていましたが、また、自民党です。ショックドクトリンという言葉があります。岩波で「貧困大国アメリカ」という本がありますが、危機が起きると、「わあ−」と行ってしまい、大企業がすべて制圧してしまいます。今も昔も同じです。

ムッソリーニの猿真似

 それでは、ヒトラーはなぜ政権につけたのか。ハイルヒトラーはムッソリーニがやっていたことで、彼は真似をしていたのです。ムッソリーニの猿真似とも言われていました。

 それが熱狂的に支持されたのは、ナチ党員の社会構成から分かります。30年の労働者階層では全国民の45%の労働者のうち、28%がナチ党員ですから、割合は61%とそれほど多くありませんが、自営業、公務員、農民の各階層では国民の割合の倍以上となっています。33年になると労働者階層のナチ党員の割台も増えていきます。

合法的手段で政権掌握

 これまでのヒトラー像は「もっとも醜悪なテロリズム独裁」と言われ、「後ろで資本家が糸を引き、ナチスは独占資本の手先で、テロとデマによって国民を脅し、だまして政権に就いた。支持したのは、ならず者やドロップアウトした急進的中間層だ」、これがこれまでのナチス像でしたが、最近のアメリカの研究でも社会的構成比較も進んできて、「上流階級(資本家、銀行)から労働者階級まで広範な国民の支持を得た『国民統合政党』としてのナチスを『普通のドイツ人のナチス支持』として、合法的に権力掌握した点が注目されています。国民の支持はあったことを押さえておきたいです。

雇用創出でナチスを支持

 では、なぜ支持したのでしようか。実は手工業者の(日本でいえば中小企業者)パン屋さん靴屋さん、自分で作って、自分で売る普通の人たちのナチ党員の割合が高いのです。

 手工業者の中でもうまくいっていない「不適応型」は、30年の選挙で新しい経済・政治体制『資本主義的な競争のない前資本主義的な経済体制』を求め、ある程度順調にいっていたパン屋さん靴屋さんなどは32年の選挙で国家による強い景気回復を求めて、雇用創出計画を主張するナチスを支持しました。

(次号に続きます)



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太郎の部屋のほっとたいむ ⑰

シェイクスピア生誕450年

鈴木太郎(詩人・演劇ライター 中新井在住)

 2014年はシェイクスピア生誕450年。生涯に書かれた37の作品は日本の演劇界にも多くの影響を与え、いまも高い人気を集めている。文学座では「シェイクスピア祭り」と銘打って一年間にわたって、さまざまな取り組みを企画している。

 まず、その口火を切って2月11日から、「尺には尺を」(演出=鵜山仁)と「お気に召すまま」(演出=高瀬久男)の二本立てが始まった。ともに小田島雄志の訳。言葉の豊かさ、せりふの量の多さに圧倒される思いであった。舞台の装置は簡潔で大きな一枚の布だ。これが天幕や背景や小道具になる仕掛けの巧みさがあった。

 「尺には尺を」は、公爵・ヴィンセソシオ(石田圭祐)の奇妙な思いつきから始まる。公爵の代理にアンジェロ(大場泰正)を任せ、自らは神父に変装して物事を見極めようというもの。権力をもった人間の心理、庶民の暮らしぶりや恋をする若者たちの清らかさなどが描かれていく。高橋紀恵、倉野章子も出演、見応えがあった。

 「お気に召すまま」は追放の身となった前公爵(大滝寛)が隠れ住むアーデンの森で繰り広げられる恋の物語。前公爵の娘ロザリンド(前東美菜子)は男装の姿で新公爵の娘シーリア(藤崎あかね)とアーデンの森にくる。

 ロザリンドとオーランド(采澤靖起)は一目で恋におちてしまう。この2人を中心に4組の恋が錯綜しながら展開される。見ていて心が温かくなるような楽しい喜劇であった。3月4日まで、東池袋「あうるすぽっと」上演中である。




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鈴木彰の「責任をもって癒着を競い合い」




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『沖縄からのリポート』

民意無視した「入札公告」私たちは諦めない

原田みき子(沖縄在住)

名護市長選挙で稲嶺さん勝利

 名護市長選で「辺野古の海にも陸にも基地を造らせない」候補の稲嶺進氏が大勝したことは、日本中の基地反対運動の方々に希望を与えたと思う。勝った瞬間、全国から応援に駆けつけた仲間と抱き合って「政府に勝った。名護は負けなかった」と喜び合った。特に18年間苦しめられた名護市民は涙を流し、言葉にはならない歓喜をかみしめていた。

 今回の勝利の要因は様々考えられるが、露骨な政府の札束攻勢に市民が拒否反応を示したことが大きいと思う。石彼氏が500億円を用意すると熱弁をふるっても、市民は白け切っていた。県民を裏切って辺野古の埋立を承認した仲井真知事が街宣しても人は集まらなかった。終盤では、相手候補は戸別訪問して現金をまいたが、稲嶺氏を応援する組織では3台の監視パトロールカーを出してたたかった。成人式を終えた若者たちやパチンコ屋に来る若者たちに、現金入りの封筒が渡されるという情報もあったが、今回は稲嶺陣営では、後援会事務所が雨後の竹の子のようにたくさんでき、質、量ともに相手候補に勝る運動だった。各政党別、各地区ごと、私が参加した「稲嶺ススムと共に歩む市民の会」など、多種多様な応援体制があった。中心になつた事務所には保革を超えた人々が集まり、特に女性部の活動が目ざましかった。

 このように稲嶺進氏がたくさんの支持を得たのは、その実績によるところも大きい。一期4年間で市の予算を約100億円増やし、積立金は2倍に伸ばした。学校環境を改善し、待機児童を減らし、福祉を充実させる政策は近隣の自治体の手本とも言われ、女性票や浮動票の獲得につなかったと思われる。「全て子どもたちの未来のために」という政策は広い信任を得たと思う。人の和を重んじる進氏と、夫が教育長になった時、校長を退職して支えた律子さんのパートナーシップも素晴らしい。

 私は10代の頃から安保反対の運動を続けてきたが、沖縄に暮すようになってますますこの思いを強くしている。普天間は即時閉鎖で、沖縄県内は勿論、日本のどこにも造らせたくない。

 今回の選挙で名護市民は良識を示した。国の圧力にも札束にも負けず、人殺しの基地はいらないと撥ねつけた。しかし国は2日後に辺野古建設の入札公告をした。名護市民の民意は全く無視された。でも私たちは負けない。諦めなければ負けないことを知っているから。




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公共放送、NHKは幻想か

門自省吾(元NHKプロデューサー)

危機的状況の公共放送

 NHKの籾井新会長は、就任の記者会見において、「会長の職はさておき」としながら、「慰安婦問題」「尖閣列島」「安倍総理の靖国参拝」に関し、きわめて一方的な持論を披歴し、さらに「国際放送」に関しては「政府が右というのに、左というわけにはいかない」「秘密保護法は、政府が必要と説明しているので様子を見るしかない」と発言。記者から、就任会見の場であることを指摘されると、すぐに取り消したと報道されている。これが日本の公共放送の最高責任者の発言か、と耳を疑った。就任会見場での発言を「個人的発言」として、取り消すとはどういう事なのか。経営委員会の席でも、国会喚問の際にも、NHKの職員に対してもやはり「個人的発言」として陳謝している。自らの職務に係る会見の場であることをわきまえず、日本の公共放送を率いていくという気概もない。放送法第1条には「放送の不偏不党、真実、及び自立を保障することによって放送による表現の自由を確保すること」とある。新会長はこの規定をどのように読んでいるのかを聞きたい。

 NHKの存立基盤は、放送法にある。NHKは、国民の知る権利に応えるという国民に対する責任を放送法に照らして、絶えず問われている。NHKが放送法から逸脱する行為が許されないのは、政治家が、憲法に縛られると同様である。放送法は、放送番組編成の自由(第3条)を謳い、放送番組の編集の自由(第4条)を明記している。第4条は、番組編集の基準を「政治的に公平であること」「報道は真実を曲げないですること」「意見が対立している問題については、出来るだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と具体的に規定している。公共放送の存在理由は、時の政権とは、一定の緊張関係を保ち、政治的にも文化的にも「不偏不党」の立場に立ち、事実を明確に伝えることにある。NHKの財源である受信料制度が国民から支持されてきた根拠もそこにある。

こんな会長でNHKの中立性保てるのか

 NHKの会長を任命するのは、NHK経営委員会である(放送法第52条)。経営委員は現在12人。その経営委員は衆参両院の承認を得て、内閣総理大臣が任命する。任期は3年で、12人のうち5人以上は同じ政党の党員であってならないなど具体的な規制がある。会長の任命に際しては、経営委員9人以上の多数による議決が必要であるが、新会長は12月20日の経営委員会で、全会一致で任命された。

 現在の経営委員は、学者5、財界人4、私立学校長1、小説家1、弁護士1という顔ぶれで、現政権のもとで任命されたのは4人、その中に百田氏と長谷川氏がいる。百田氏は、先日の東京都知事選で、特定候補の応援をしたことが批判され、長谷川氏は、委員就任直前に自殺した新右翼の活動家の死に際し追悼文を寄稿。安倍首相の再登板を支援していたと伝えられている。巨大与党体制を率いる現政権は、このような人事を平然と強行してはばからない。

 経営委員会は会長の資格として、「政治的に中立であること」を挙げ、新会長任命の経営委員会の席上では、4人が放送法第1条に言及し、公共放送としての使命を全うされるよう求めている。放送法では、経営委員会は「会長が……職務の執行の任に堪えないと認めるとき」は、罷免する権限も与えられている(同法第55条)。今回の会長就任会見発言以来の経緯は、経営委員長からの「注意」だけで済む問題ではない。経営委員会は民主主義国家の公共放送の最高責任者としてかかる新会長を選出した責任は重い。英国のBBCにみるまでもなく、近代民主主義国家の公共放送の評価は、言論機関としての独立性にある。時の政権に追随し、国民の知る権利に応える姿勢がなくなった時、公共放送の役割は終わる。受信料制度は崩壊し、国営放送となる。日本の公共放送としてのNHKは、いま危機的状況にある。

要望書を提出

 「NHKを質す所沢市民の会」は2月6日、NHKを訪ね、110人の賛同者名簿を添えて、NHK経営委員会浜田健一郎委員長あてに「要望書」を提出した。公共放送にふさわしくない会長を選出したことの責任を果たすように求めている。(共同代表 浜林正夫、門奈直樹、最上光宏、高橋玄洋、森生郁代、持丸邦子、松樹偕子。事務局 門目省吾方)




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集団的自衛権容認に抗議

「九条の会」安倍首相を強く批判

著名人829人がアピール賛同

 「9条の会」の小森陽一事務局長(東大教授)らは2月14日、国会内で会見し、安倍内閣が憲法解釈変更による集団的自衛権行使の容認を進めることを強く批判し、全国各地の「九条の会」に「集団的自衛権行使による『戦争する国』づくりに反対するさらに大きな運動を盛り上げよう」と呼びかける「訴え」を発表した。

 「訴え」は、現在、政府が憲法上認められていないとしている集団的自衛権の行使について、安倍首相が国会答弁で、選挙で勝てば自由に解釈できるかのように語っていることにふれ、「憲法は権力行使のあり方を規制するものとする立憲主義の原則を根本から否定するもの」と厳しく批判した。

 会見で憲法研究者の小澤隆一氏は、「集団的自衛権の行使は違憲という解釈で、インド洋やイラクヘの自衛隊の派兵でも(自衛隊の行動は)縛られてきたが、この憲法の縛りを取り払うこと自体が、立憲主義に対する破壊行為だ」と強く指弾した。

 会見では、「九条の会」が昨年10月に発表したアピール「集団的自衛権行使」による『戦争する国』づくりに反対する国民の声を」に対し、憲法研究者や宗教関係者、俳優など、各界の著名人ら829人から賛同(14日現在)が寄せられたことが報告された。

 14日の東京新聞は、安倍首相が、歴代内閣による議論の積み重ねを覆して自ら進める考えを国会答弁したことに対し、自民党総務会で「三権分立を根底から崩す」などの批判が相次いだことを報じた。

自民党内からも批判続出

 出席者によると村上誠一郎元行革担当相が、「首相の発言は、選挙で勝てば憲法を拡大解釈できると理解できる。そのときどきの政権が解釈を変更できることになるのは問題がある」と批判した。その上で、「慎重の上にも慎重を期すべきだ」と主張したという。

 村上氏の発言を受け、野田毅党税調会長が「大事な話で、正面から受け止めるべきだ。内閣法制局と首相の役割を冷静に考えて、答弁は慎重にすべきだ」と村上氏に同調した。船田元・党憲法改正推進本部長は、「解釈変更で対応できるなら、私の仕事はなくなってしまう」と述べたという。




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