機関紙83号 (2012年11月30日発行)



もくじ

「第三極」騒ぎは異常、劣化の悪循環に沈むメディアと政治
    桂 敬一(元東大教授)
     同じ穴のムジナたち
     宇都宮都政の実現が希望

戦争をするための「秘密保全法」は恐い法です
    北村 肇(「週刊金曜日」発行人)
     日本全土を浮沈空母化
     治安維持法の亜種

太郎の部屋 ほっとたいむ 4
    鈴木太郎(詩人・演劇ライター 中新井在住)
     ハワイ・モロカイ島

鈴木彰の「反動へ不協和音で四重唱」

「憲法は何のためにあるのか」
   異例ずくめの総選挙を前にして
   大久保賢一弁護士に聴く
     原因や責任の追及怠るな
     九条の会の出番

集団的自衛権行使を明記
   自民がタカ派的選挙公約

メディアウオッチ100
    池田龍夫(元毎日新聞)
     野田首相の意表を衝いた「解散宣言」の波紋
     国際的な信用失墜も大きいく
     安倍氏の右ウイングの姿勢を危倶
     「河野談話」を撤回したら一大事

九条を生かす
  ●集団的自衛権の行使が前面に
  ●際限のない自衛隊海外派兵に

紹 介
  ◆所沢で頑張っています





「第三極」騒ぎは異常、劣化の悪循環に沈むメディアと政治

桂 敬一(元東大教授)

 どうして新聞でもテレビでも、「第三極」の話題ばかりに熱中するのか。そして、石原暴走老人や元祖・維新の会の橋下を、テレビ画面や新聞紙面に出したがるのだろう。暴走老人は尖閣列島購入資金の寄付集めのとき以来、橋下は大阪市長の就任以来、散々みてきたし、いい加減な話の中身、傲慢な語り口にも飽き飽きだ。たしかに野田首相の突然の解散宣言、安倍自民党新総裁の奇妙なハッスルで、にわかに総選挙に対する関心が高まってはいる。また、どちらも単独での過半数は覚束なく、「第三極」がどれぐらい大きくなり、どっちにつくかで、選挙後の政局動向は大きく変わる。だから、これに注目したくなるのはわかる。

 しかし、解散後のマスコミの「第三極」騒ぎは異常だというより、マスコミが騒げば一般の人々も気になり、暴走老人や橋下など維新の一派が街頭や集会に現れればわんさと人が集まり、するとさらにマスコミが大騒ぎに輪をかけるというのは、負の共依存の増幅だ。メディアも有権者も、そして政治も、劣化の悪循環のなかに埋没する。

同じ穴のムジナたち

 いったい原発問題を、だれが本気で片づけようとしているか。推進派の自民党でさえ、将来のゼロは考えていると、選挙目当てで屁のような話をする。民主党は「2030年代にゼロ」の方針というが、それは2039年まではやるという話だし、それさえもアメリカからの横槍で閣議決定を見送ったままだ。推進派の石原・脱原発の橋下が合体した日本維新の会はフニャフニャいうだけで、まるで話がみえない。結局、彼らは、主観的にどう考えていようが、客観的には同じ穴のムジナだ。こんなものたちに票を入れるわけにはいかない。

 差し迫った問題は沖縄だ。それでなくても限界いっばいの米軍基地に、うるさくて危険なオスプレイがきて、離島まで含む全島で訓練を始めた。加えて駐留米兵の犯罪は跡を絶たない。強姦強盗事件のあとの夜間外出禁止令が出ているあいだにも、米兵が民家押し入り事件を起こしている。沖縄県議会は自民党も共産党もない。全党会派一致してオスプレイの撤収、と日米安保の根本的見直しを求めている。沖縄の問題でも、このような現地の人たちの意向を無視する候補を、私たちは同じ日本人として絶対に支持できない。

 消費税の引き上げ、TPP(環太平洋経済協力協定)参加でも、曖昧模糊、なし崩しのかたちで国民泣かせの政治が企まれている。消費税引き上げでは、それと一体化で社会保障の充実が図られるはずだったではないか。しかし、現実には給付水準の低下を伴う年金制度の改悪が策され、生活保護の支給厳格化が進行している。

 TPPも、まず参加はして、そのあとで飲めない話、不利な点は個別に交渉し、解決すればいい、などの話がまことしやかに流布されているが、それがあり得ないのがTPPだ。アメリカは、自国内の規制緩和の完全実施を、他国=協定加盟国に求めるからだ。日本では公共制度として教育・医療・年金、さらには各種の公共事業が存在するが、それらの全面的な自由化・民営化が、アメリカ並みに求められる。

 また、日本の政府は企業制度全般にわたって各種の規制権限をもち、とくに金融制度は今でもそうした規律を課されているが、TPPではそれらが拒否される。そうなったとき、新しい「自由」な環境で利益を享受できる日本企業は、わずかな寡占企業であり、あとはグローバルな外国巨大資本の支配に屈することになるおそれがある。私たちは今の教育、健保、年金がしっかり維持されるのかどうかに注意し、自分たちを裏切るものを見分け、選挙で落とし、わが身を守っていかなければならない。

 多数の党派入り乱れての選挙戦のなかで、野合のために政策をぼやかし、有権者をごまかすために心にもないことをいう輩がのさばっている。いきおいメディアも、キャラの立つ候補者に焦点を絞り、当選するか落選するか、2大政党のどっちが勝つか、「第三極」はどうか、といった話題に走る。そうした目くらましの陰で、改憲、9条破棄、集団的自衛権確立、国防軍創設、中国・韓国との対決強化を目論む勢力が頭をもたげている。安倍自民党総裁の言動は、そうした動きの氷山の一角だ。

宇都宮都政の実現が希望

 だが、こんな混沌とした状況のなかにも、追求すべき方向を明確に示す指針が出現している。都知事選に出馬した宇都宮健児候補だ。基本政策は、①護憲・平和外交推進・オスプレイ反対、②脱原発・東北の被災者支援強化、③子どもたちのための民主的教育再建、④反貧困・消費税引き上げ反対、などの4つの柱だ。この政策の下、私たちが一致して宇都宮都政の実現を図るならば、並行する国政選挙でも魑魅魍魎を追い払い、真の勝利を獲得することができるはずだ。



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戦争をするための「秘密保全法」は恐い法です

北村 肇(「週刊金曜日」発行人)

 政権交代によって秘密保全法はどうなるのか。いろいろな方に聞かれます。残念ながら、このままではそう遠くない時期に成立してしまうでしょう。この法律は単独に存在するものではありません。大きな流れに乗っています。だから、その流れを変えない限り、阻止は難しいのです。

 では、大きな流れとは何か。一言で言えば「戦時体制」です。ただし、先の大戦のように日本が侵略戦争を引き起こそうというわけではありません。自衛隊が米国の軍事戦略上の「駒」となり、米国の意に沿った行動を可能とする体制の確立です。

日本全土を浮沈空母化

 いまや明々白々ですが、日米安保条約は日本防衛のためではなく米国の軍事戦略に日本を従わせるための条約です。安保を変質させた「ガイドライン」はその意図をさらに強化しました。オスプレイが「日本を守ってくれるための兵器」など、いくら政府が言い寡っても信じる人はいないでしょう。米国にとって重要なのは「経費をかけずに自由に使える基地」であり、さらに言えば「日本全土を米国所有の浮沈空母にする」ことです。

 もう一点、米国の狙いに、「自衛隊を配下に置く」があります。福島原発事故の「トモダチ作戦」は、格好の日米軍事共同訓練でした。「北朝鮮がミサイルを発射した」とマスメディアを使って大騒ぎした茶番も同様です。米軍の指示の下で自衛隊がいかにスムーズに動けるかのシミュレーションをしたのです。

 話しを秘密保全法に戻します。この法律を強く押しているのは米国です。政権の枠組みがどうなろうと、憲法九条改悪以前に「集団的自衛権行使容認」が強行される危険はかなり高いといえます。その暁には米軍と自衛隊の、訓練を超えた共同軍事行動が実施されるでしょう。まさしく日本は米国の世界戦略のために「戦時体制」に巻き込まれるのです。

治安維持法の亜種

 その時、両国にとって軍事機密保持が極めて重要なテーマとなるのは言うまでもありません。もともと米国は日本の情報管理に極めて不信感を抱いています。だから、何としても実効性のある秘密保全法を求めているのです。

 さらに、「戦時体制」となれば国民の権利抑制が避けられません。秘密保全法により、「いざとなればお国のために基本的人権が阻害されることがある」ということを強調したい思惑もあります。

 「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が5月に成立しました。この法律は明らかに憲法違反です。緊急時には国家は私権侵害をする権限があるとしているのですから。全国の自治体が一斉につくった暴力団排除条例も違憲の疑いが濃い内容です。憲法の趣旨からいえば、暴力団員だからといって居住の権利を奪っていいはずがありません。

 インフルエンザ法にしても暴力団排除条例にしても、本質的な議論がほとんどなされないままつくられてしまいました。マスメディアもほとんど問題にしませんでした。でも、どちらも「戦時体制」を視野に入れた治安維持法の亜種といっていいほど恐ろしい中身なのです。

 もうおわかりと思いますが、秘密保全法は上述したような大きな流れの中で出てきた法律であり、戦時体制時の治安維持法の一つなのです。だから、絶対に認めるわけにはいきません。しかし、相変わらず多くのマスメディアは批判的に報じません。おそらく最終的には「マスメディアの取材制限はしない」というアメを出されて終わりでしょう。そして、集団的自衛権、秘密保全法の次は憲法改悪です。九条改悪とともに緊急事態時の首相権限が新設されます。米国の目指す「日本を支配化に置く戦時体制」のピースがこれですべてはまるのです。

 まさに危機が迫っています。何としても「大きな流れ」を裁ち切らねばなりません。真の平和を勝ち取らなければ、次代を担う世代に顔向けできません。あきめずに声を出し続けましょう。




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太郎の部屋 ほっとたいむ 4

ハワイ・モロカイ島

鈴木太郎(詩人・演劇ライター 中新井在住)

 沖縄・普天間基地に配備されたオスプレイ。当会の「会報」82号に梅田正己さん(書籍編集者)が、瞠目すべきニュースとして「オアフ島の東南、50キロ離れたモロカイ島には、カラウパパ空港とモロカイ空港の二つがあるが、そこで予定されていたオアフ島のオスプレイの訓練が、住民の抗議によって撤回されたのだ」と紹介されていた。

 ハワイのモロカイ島、この名称からイメージを受けたのが、なんと「ダミアン神父の生涯」という舞台である。俳優・西田正のひとり芝居だ。ダミアン神父は、モロカイ島に隔離され、捨てられたようなハンセン病患者たちのために、単身、島に渡り、医療活動とキリスト教の伝道活動をおこなった牧師である。やがて、自らも感染し、命果てていく。

 舞台では西田正がその生涯を回想するかたちで物語をつくりあげ、語りつづけていく。およそ1時間40分、緊張につつまれた展開になっている。花島宣人の演出・照明も静寂と喧騒をうまく生み出している。

 初演からすでに14年を経て、毎月の最終月曜日に無料公演をつづけていることは驚きである。キリスト教の伝道活動のひとつと位置づけられているが、ひとりの人間が命をかけて生きた姿に共感するところが多い。

 年内の公演は11月26日、12月31日である。東武東上線中板橋下車3分・新生館スタジオで。連絡先=03(3579)3368



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鈴木彰の「反動へ不協和音で四重唱」




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「憲法は何のためにあるのか」

異例ずくめの総選挙を前にして

大久保賢一弁護士に聴く

 11月16日の衆院解散で、異例ずくめの総選挙が幕を開ける。いま、何を問い、有権者は何を選択すればいいのか。ピースセンターの大久保賢一弁護士に聴いた。(聞き手 葛西建治)

-------いよいよ総選挙です。解散が決まった過程は、いかにも唐突です。
大久保 国民が3年前の選挙で自公にとって代わる政権が欲しいとやってきたが、国民の要求と政権の姿勢が離れすぎたことが、今回の解散だと、そう見たいと思っています。本当に民衆の運動が追い込んだのかと言えば、必ずしもそうではありません。3党の合意で政局がらみで追い詰められたのでしょう。

 一番大きい問題点は国民の要求と政権の矛盾だと思います。それがストレートに表れないで歪められ、政権を誰が担うのかとの形で表れてはいるが、深いところにあるのは、民衆の要求と政権の姿勢の乖離だと思います。

 政権が長続きしないことは、3党合意をした段階で解散を急がせさせられるだろうと分かっていたことです。特に民主党内部の崩壊が始まってきて、その民主党の弱点に突きこんで政権の奪取を狙う、自民党からの攻勢が強かったと見ています。

--------東京は都知事選とダブルになります。
大久保 宇都宮さんに期待しています。宇都宮さんは日弁連の前会長でしたので人柄も良く存じています。民主党が不戦敗になると思いますが、自公が猪瀬氏を支援し石原氏も後継者と指名していますから、猪瀬氏と一騎打ちになるでしょう。反貧困、反原発で立ち上がっている人たちが、どこまで、選挙戦で行動や投票ができるかが大きいと思います。

 猪瀬氏は高校の同期生でした。同期会で応援する呼び掛けも回ってきていますが、宇都宮氏の当選を目指したいと思います。

--------選挙で問われているものは
大久保 消費税増税、TPPや社会保障の改悪など問われているとおもいますが、いまの日本国憲法がそのまま存続されるのか、どうなのか、そこのところが、法律家の感覚からするならば、その基本法が問われています。この国の在り方が問われることになります。

 武力で物事を解決する、貧乏人は自己責任だという、そういう社会の有り様をもっと進めようとする勢力とそれはダメだとする勢力の争いと思っています。安倍自民党総裁が改憲を争点にするならば、それはそれで正面切っての言いようだと思っています。

 憲法改正がいいのか悪いのかと一般的な抽象論ではなく、この国の在り方や一人一人の生活にどういう影響を及ぽしてくるのかについて丁寧な説明や争点整理の仕方がマスコミが全くしていないことが恐ろしいと思っています。反原発や九条の会に結集している人の動きはこの国の未来を造っていく上で基底になる人たちだと思っています。その動きに対して、いまのマスコミは小さな報道しかせず、ファシスト橋下や石原らを選挙がらみで大々的に喧伝するのはゆゆしき事態と思います。

原因や責任の追及怠るな

--------戦前は戦争を煽った新聞が、また愚行を繰り返している
大久保 放射能問題にしても、私たちは勉強していく必要があります。核兵器廃絶はそれなりにやってきたつもりですが、原発は危険で廃棄すべきとの考えは、今度の事故があるまで基本的に知りませんでした。勉強不足だったとの思いを強くしています。科学記者に友人がいますが、もともと危険性を知っていた人は、東電の傲慢さ、政府の無責任さに怒っています。それを指摘すると、出世せずに消えていくことは、どこの新聞社にもあることでしょう。赤旗などが、時間的にも、空間的にも、社会的にも異質な被害が起きていると報じます。その通りです。そのことのベースを押さえることなく、原因や責任について、財界や政界、マスコミは触れてはいません。大新聞の報道に疑義を感じています。

--------安倍内閣の誕生で憲法が危うくなります
大久保 改憲の動きについて言うと、日本国憲法を守るという立場に立っているのは、15ある政党の中で、共産党と社民党しかありません。緑の風とかが何を言うか分かりませんが、改憲の方向がどうなるか、体系的に出してきているのは、自民党の改憲草案です。古色蒼然です。天皇の元首化と自衛隊の国防軍化。専守防衛ではなく、外に向かって軍隊を出していく方向です。人権関係で言えば、公共の福祉から公益と公の秩序に言いかたを変えました。つまり公共の福祉は市民間の利害の調整をどうするのかの話しなのですが、今度は公(おおやけ)ですね、国家との関係で人権は制約するよと大上段に振りかぶっていますから、非常に危険な方向性を持っているとおもいます。

 加えて、憲法改正条項の96条を衆参議員の3分の2以上から、過半数にハードルを低くしようとしています。これはもっと多くの人に知ってもらいたいことです。政党の組み合わせがどう変わるかわかりませんが、石原、橋下、小沢を外して、自公民で安定政権を望む人はいるでしょう。この間の財界の発言を見ていると、小沢は外すが、石原と橋下は組ませることを財界や米国は考えているのでしょう。とりわけ、橋下はなんでもやる男です。狡く、恐い思想の持ち主です。憲法審査会も発動して、前に進まない状況はありますが、逐条ごとの検討は始まっています。共産党や社民党がこの選挙であまり大きくなることは考えられず、国民投票の段階で阻止するしかないのですが、国民投票のレベルで憲法を擁護するには、憲法が何のためにあるのかについて、九条の会が中心になって人々の中に大きく入っていくしかないと感じています。

 憲法が何のためにあるかと言うと、権力者の横暴を押さえるために、彼らの権力者としての権限にやってはいけないことに制約を課すのが憲法です。そこのところを九条の会の人々がしっかりと認識することです。「九条が大切」はその通りですが、「憲法は何のためにあるのか」をもっと強調しましょう。権力が勝手に憲法を変えていくことは、恐ろしいことです。再び政府の声によって戦争の惨禍をもたらしてしまいます。権力者が変えたいと思っている憲法は、国民生活の向上や改善のためではなく、自分達の権力を行使しやすくするためのことです。戦地に征かせたり、貧乏でよいではないかと思わせるための改憲なのです。それを言っていく必要がもっと高くなるのが総選挙です。

九条の会の出番

--------有権者は何を選択すれはよいのか
大久保 なんで自分達の生活が豊かにならないのか。貧乏は自己責任と言われるが、個人の力で世の中をわたれることは社会のシステムとしてあり得ません。システム全体が個々を組み込まないと必ず誰か落ちてきます。それではダメだと出てきたのが社会保障や労働法の考え方です。それをひっくり返そうとする考えがはびこっています。

 いまの権力者が志向している哲学の一つは自己責任です。自己責任で貧乏なのだから、生活が苦しいからと、国に助けを求めちやダメだよと、強いヤツが力を持って自分達の支配を貫徹して何が悪いの、戦争で勝って何で悪いの、野蛮な状況が生まれていると思っています。新自由主義は金儲けがなんで悪いのかと言います。そういう思想が蔓延してきています。

 命とか自由とか幸福追求などが国政で最大に尊重されるべきだということが無くなってきています。それは、いまの資本の強欲さと思っています。貧困は自分のせいではないと闘うことが必要です。非正規従業員が不当な首切りを裁判で闘うことも大切です。

--------一番の争点はなんでしょう
大久保 原発事故で福島の被災者の惨状を表に出さないようにするでしょう。一方では原発の再稼働を推し進める。どこかで必ずボロが出てきます。ただ気をつけなくてはならないのは、反原発、脱原発、即時廃止といろいろ言われますが、放射線が何で恐いのか、放射能にどう対処するのか、しっかりしたコンセンサスを得ないままに、恐い、ダメだの一揆型の運動になると、足もとをすくわれる恐れがあります。原発事故で発生した被害の回復を責任あるものがしっかりとさせていくことが求められる選挙です。もちろん、憲法を守ろうとする議員を一人でも多く国会に送ることが大事です。




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集団的自衛権行使を明記

自民がタカ派的選挙公約

 自民党は11月21日、衆院選の政権公約を発表した。このなかで、外交・安全保障の分野では、憲法改正によって自衛隊を「国防軍」と位置づけるほか、海外での武力行使を可能とする集団的自衛権の行使を盛り込んだ「国家安全保障基本法」の制定を明記した。米国とともに「戦争する国」づくりを明確に打ち出し、タカ派的な姿勢を浮き彫りにした。

 外交では、官邸の司令塔機能を強化するとして米国にならい国家安全保障会議(NSC)を設置するほか、自衛隊の人員・予算の拡充や領海警備の強化など軍事偏重・対外強硬路線を露骨に提示。領土問題ではへ尖閣諸島への公務員の常駐で現状変更する方針だ。

 また、教育分野では「首長が任命する教育長を教育委員会の責任者とする」など、教育への権力介入の方針を明確にした。

 教科書検定基準の抜本改定としてアジア諸国への記述に「配慮」してきた「近隣諸国条項」の見直しを強調し、歴史教科書の書きかえを示唆している。

 原発に加え、火力、水力などでバランスの取れた電力供給割合を決めるエネルギーミックスについても「遅くとも10年以内に確立する」にとどめた。原発の安全性については「原子力規制委員会による専門的判断をいかなる事情より優先するしとしたが、再稼働の可否は「政権が順次判断」と明記し、民主党より再稼働に積極的な姿勢が浮き彫りとなった。

 経済政策では、明確な物価目標(2%)を設定し、日銀法改定も視野に大胆な金融緩和を図るとし、経済界からも異論が出ている政策を掲げた。「国士強靭化」として大型公共事業を推進するという。




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メディアウオッチ100

池田龍夫(元毎日新聞)

野田首相の意表を衝いた「解散宣言」の波紋

 野田佳彦首相と安倍晋三自民党総裁の党首討論(11月14日)で、野田氏は意表を衝いて「11月16日衆院解散」を宣言した波紋は大きい。田原総一郎氏のように「野田首相の一本勝ち」と見る向きが多いが果たしてそうだろうか。

 8月の民自公党首会談で「消費増税法案などを通していただければ、近いうちに解散する」との一言が日本特有の政局論争に火をつけた罪は大きい。不毛な国会論議が続いて3ヵ月も政治が停滞。国民の政治不信が高まったばかりか、国際的信用の失墜は著しい。

国際的な信用失墜も大きい

 毎日新聞11月16日付朝刊コラムで西川恵編集委員は、駐日外交宮の反応は「新鮮な驚きだ。守勢を切り返し、巧みに攻守を入れ替えた。計算し尽くした一手で、野田首相の政治家としての資質をみせた」などと、野田首相に好意的だった」と紹介している。

 さらに西川氏は「首相が求心力を持ち得たとしたら、国際政治の力学も作用したのではないか。尖閣諸島を巡る中国との対立だ。自公の賛成で消費増税法が成立したのは8月だったが、内政で混乱している時ではない」の危機意識があったのではないかと分析していた。各紙の受け止め方も「したたかな野田政治」を評価している方が多かった。

安倍氏の右ウイングの姿勢を危倶

 海外の反応はどうだったろうか。日経11月16日付朝刊が興味深い特派員電をまとめていた。日本の論調より厳しいので、一部を紹介しておきたい。

 ヘリテージ財団のブルース・クリングチー上級研究員は「首相が次々交代している日本政治の現状が、中国の台頭を招いている。米国は東アジアで日本が重要な役割を果たすことを望んでいる。…安倍氏の外交姿勢を歓迎するが、国家主義的な傾向には懸念もある」と警告していた。また英ニューカッスル大学のラインハルト・ドリフテ名誉教授は「未知の第三勢力の人気は、民主党だけでなく、自民党への国民の不満の裏返しだ。安倍氏は教育改革や憲法改正に執着するが、国民が望んでいるのは経済立て直しだ」と指摘していたが、まさにその通りだ。

「河野談話」を撤回したら、一大事

 韓国・国民大学の李元徳教授は「(自民党政権が)河野談話を撤回すれば、韓日関係は戻ることのできない川を渡ることになる」と憂慮を示しつつも“安倍政権”に期待しなければならないだろうと述べていた。

 日経紙に中国の論調は掲載されていなかったが、習近平路線になっても領土問題への強硬姿勢は相変わらずで、日本の政権がどこに移っても膠着状態は当分続くだろう。




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九条を生かす

●集団的自衛権の行使が前面に

 総選挙に向けた動きが激しくなっている11月21日、自民党は「集団的自衛権の行使を可能」とする憲法改正や経済、教育を含む政権公約を発表しました。

 集団的自衛権については8月の原案の「一部を行使可能」を「行使を可能」としたものです。憲法改正の手続きを踏まずに自衛隊の戦争参加を認める、なし崩しの憲法改悪です。さらに「『国家安全保障会議』を設置する」など安倍総裁カラーの出たものと報道されています。

 安倍晋三著の「美しい国へ」のなかで自衛隊の海外派兵にふれて、「武装解除が完全に行われていない中、各国が和平の実現に向けて、危険と背中合わせになりながら汗を流しているのに、武力行使は憲法で禁じられているからといって、日本だけが中断や撤収することができるだろうか。憲法という制約を逆手にとって、きれいな仕事しかしようとしない国が、国際社会の目に、ずるい国だと映っても不思議はない」と書いています。

 これは、自衛隊が初めてPK0に参加した92年のカンボジア派遣の際、文民として参加した選挙監視員、文民警察宮が射殺あるいは武装グループによる襲撃で命を落としたことを取り上げているのですが、その教訓を、無理やり自衛隊を海外に派遣して不幸な事件が起き、それを憲法に照らして総括するのではなく、さらに武装して事態を乗り越えていくためには、と問題が発展させられています。その際の問題の取り上げかたが、「憲法という制約を逆手にとって」をいうのですから、憲法を基本にして国の在り方を考えていないとしか思えないのです。

 これが書かれたのは2006年。それから6年たって、自民党総裁候補がそろって憲法改正を叫ぶ中で、安倍晋三氏は再び自民党の総裁に選ばれ、政権奪取に意気込んでいます。

●際限のない自衛隊海外派兵に

 自民党政権公約が言うように「集団的自衛権の行使を可能」とする方向に進むならば、アメリカに追随して財政赤字に苦しむアメリカの戦争政策に先兵となって、際限のない自衛隊海外派兵が当たり前のようになるのが見えてきます。

 憲法9条を21世紀の世界平和の土台をなすものとして輝かせる道と大きく異なる道へと日本を踏み出させるのか、重大な選択を迫るものとして総選挙が迫っています。多くの人々に9条を守る大事さを届けることができるか、声を大きくして訴えます。
(鴨川孝司)。




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紹 介

所沢で頑張っています

 埼玉演歌塾を主宰し、多くのCDを出すかたわら小手指のスタジオ向日葵でカラオケレッスンを指導するキングレコード専属の中條なおとさん(山口在住)。

 中條さんは岩手県・大船度出身、国士舘大学法学部卒業後、作曲家花笠薫氏に師事し、03年NAOTOの芸名で「おふくろ」で歌手デビューしました。04年新曲にあわせ、中條なおとに改名。関西のテレビ番組でもレギラーで活躍中です。

 04年白竜湖哀歌、青い楽園、08年北氷雨、望郷を相次いで発表。カラオケでも中條さんの歌が配信されています。「関東温泉ひと巡り(オール配信中)」や「桜名所は多摩湖畔」はご当地ソングで人気があります。「北氷雨」(オール配信中)、「おやじの言葉」、「自竜湖哀歌」(ジョイサウンド配信中)、カラオケのあるお店で歌ってみて下さい。

 埼玉演歌塾の第2回新春紅自歌合戦が13年2月3日(日)、11時から小手指公民館(本館)で会費4500円で開かれます。中條さんは、「みんなで楽しく歌いましょう」と呼び掛けています。問い合わせ 090−2667−6755小林まで。




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