機関紙65号 (2011年5月6発行)new!



もくじ

原発事故は問いかける---ふくしまからの訴え---
   難民化を避け、地域を守り抜く困難な闘いに直面
    真木實彦(福島県九条の会代表委員・事務局長)
「脱原発」は新自由主義打倒につながる
    北村 肇「(『週刊金曜日』発行人)
福島の子どもを見殺しにしてはならない
   基準を下げた国の責任は重大
    葛西建治(山口在住)
成年被後見人の選挙権
   社会への「参加」の機会を奪うな
    竹腰将弘(ジャーナリスト・山口在住)
軍関与認めた判決が確定
   沖縄ノート訴訟 集団自決、大江さんが勝訴
鈴木彰の「もしかしてオレに対する天罰か」
二つの市民目線
    鎌田富夫(向場町在住)
原爆と原発
    持丸邦子(大学教員・山口在住)
会員に聞きました 1
「九条を生かす」
   ●大震災と沖縄は切り離せない
   ●伊達判決から何を学ぶか
    編集長 鴨川孝司
紹 介
   ◆「ホルスの大冒険」(高畑勲監督)上映会
   ◆パーヴェル・ネルセシアン ピアノリサイタル
   ◆革命歌、労働歌を歌う会
   ◆輝け!日本国憲法のつどい
   ◆新緑の伊豆ヶ岳のハイキング
   ◆核兵器のない世界を子どもたちのために
   ◆虚空書院展(併催ところざわ学園作品展)




原発事故は問いかける---ふくしまからの訴え---



難民化を避け、地域を守り抜く困難な闘いに直面

真木實彦(福島県九条の会代表委員・事務局長・福島大学名誉教授)

 私達は3月11日の震災の直後、ライフラインがようやく回復しかけた3月15日に県内九条の会の皆さんに次のように発信し、会員の現況を相互に交流し合おうと呼びかけた。

 「今回の複合災害(地震による生命維持装置の破壊、津波による人命の一挙的抹殺、原発事故による放射能災害)がどのように私達の生活を脅かしているのかいまだその実相をすら捉え切れておりません。とくに、地震と津波と原発事故のトリプルパンチに見舞われている浜通り(東電福島第一原発が立地する福島県太平洋岸)地帯の皆さんが必死に堪えておられる実態を私たち自身の痛みとして捉え返す営みから再出発しなければと思っています」と。

 その結果、7週間経過する今日までに16号の『大震災・原発事故速報版』(インターネット「福島県九条の会」に採録)が発行された。

 ところで、当地では「災害」そのものがまだ現在進行形である。行政的対応も「進行する災害」にどう対処するかで精一杯だ。当初強制された「屋内避難」措置(原発より半径30キロメートルの円内)が何週間も平然と続く異常状況が、現場からの悲鳴に似た告発で解消するのにも1カ月以上かかった。ところが、一週間前には30キロメートルを越す北西部の村に5月中を期限とする「計画的避難」の網が新たにかぶせられた。

 当たり前のことだが生命と生活を守るということは、家族を維持し、仕事場を確保するなど、生産・生活基盤全体を維持する、つまり、コミュニティそのものを円満に維持することだという単純な真理を現地は骨身に沁みて知らされつつあるのだ。今や私達は「原発の収束」を要求しつつ、かつ、難民化を避けて地域を守り抜くという困難な闘いに直面している。そのためには、見えない敵「放射能」を私たち自身の手で計測し続ける体制を構築して、これを乗り越える知見を学びながら、一方、地域を絶対に手放さずわが手に再獲得していくという営みが強く要請されている。

 そして、そこには「平和を守る」事と通底するものがあると強く感じ始めている。

 支援がお願いできるならば、「放射能測定器」を購入する資金に充てられればとの希望を持っている。



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「脱原発」は新自由主義打倒につながる

北村 肇(『週刊金曜日』発行人・元新聞労連委員長)

 原発反対派になったのは大学に入った1970年。反原発デモや集会に積極的に参加したのは、チェルノブイリ事故が起きた86年から90年代にかけてだった。日比谷公園に2万人が集まった89年の集会では、「これで止められるかもしれない」と期待感が高まった。だが、甘い幻想だった。結局、「40年にわたって反原発を貫いてきた」と言ったところで、それは単なる言い訳や弁解にすぎない。

 私自身、どこかで戦いを忘れていたか、あきらめていたのだ。

 福島原発事故が「想定内」であることは、少しでも原発運動に触れたことのある人ならだれでもわかる。経産省や東京電力が平然とウソをついたり、ごまかしたりするのもまた「想定内」である。問題は、それを許してきたことだ。そして、そのことを深く反省し、今度こそは、絶対にすべての原発を止めなくてはならない。

 この戦いに勝つことは、歴史的といってもいいほどの極めて大きな意味をもつ。なぜなら「脱原発」は米国からの自立や新自由主義からの脱却につながるからだ。なぜ、米国はいち早く「トモダチ作戦」と名付けて乗り込んできたのか。

 なぜ、わざわざサルコジ仏大統領が訪日したのか、なぜ、イスラエルが医療団を派遣してきたのか。すべては米国を中心にした新自由主義陣営の戦略に基づいた動きだ。

 原発マフィアは莫大な経済的利益を求めて動き回り、先進国政府は、原発の生み出すプルトニウム確保に力を注ぐとともに、技術情報が発展途上国やアルカイーダに流出しないように監視を強める。だから、彼らにとって、福島原発崩壊はあらゆる意味で「起きてはならなかったこと」であり、早急な収束が不可欠なのだ。

 ということはつまり、「脱原発」の実現は即、新自由主義を世界から排除していくことに結びつくのである。

 当然、「どんなことがあっても原発は維持」という動きが出てくるはずだ。すでに、テレビ局に対し「反原発報道を控えてほしい」という働きかけがされている、との情報もある。“敵”は想像以上に強大である。かつて、反原発運動は反核運動と同様、一種の“内ゲバ”で力を失った。もう、そんな愚を繰り返すのはやめよう。

 反原発を唱えてきた者ほど、深く自省し、新たな戦いに乗りだそう。歴史を変えよう。そのことが被災者の方々に対する最大の支援と信じ……。



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福島の子どもを見殺しにしてはならない

基準を下げた国の責任は重大

葛西建治(山口在住)

 阪神淡路大震災では、発生後40日間で復興のための法律が16本も成立したが、東日本関東大震災では、1カ月過ぎた現在、いまだ1本しか通っていない。政治指導者に最も大事なのは、国民の生命と財産、国を守ることなのに、この国の政治は「迷走・脳死状態」を続けている。連日テレビで流される上からの目線で説教する、「がんばろう日本」「チーム日本」に戦前の国家イメージを連想するのは私だけだろうか。

安全な被曝などない

 今一番危惧するのは、原発事故での放射線被曝による「福島の子ども」たちの健康と命の問題である。政府は21日、福島第一原発から半径20キロ円内を警戒区域に指定し、一般人の立ち入りを原則禁止とした。該当する南相馬市小高区川房地域では毎時6・5マイクロシーベルト、大熊町小入野では24マイクロシーベルトの放射線量を記録している。いづれも事故発生から1年間の累積放射線量が20ミリシーベルトを越す恐れがある地域だ。福島県は県内1637の小中学校や幼稚園で大気中の放射線量をモニタリング調査したところ、1242施設で「管理区域」に相当する線量が観測され、全体の75%に達した。

 さらに深刻なのは、都市圏の放射線量である。21日の観測では、福島、郡山両市は1・63マイクロシーベルトを越す線量である。文科省はICRPの基準(年間20ミリシーベルト)を目安に、小中学校の屋外活動制限の基準値を毎時3・8マイクロシーベルトに設定し、原子力安全委員会も追認をした。だから、福島の子どもたちは「大丈夫」と言うが、「放射線の感受性の高い子どもは、より厳しい基準で保護する必要があり、国際放射線防護委員会(ICRP)も『一般公衆の10分の1以下にすべき』と勧告している。少なくても毎時O・6マイクロシーベルト以上になったら学校は授業を中止し、再開が難しい場合は学童疎開を進めるべきだ」と、原発震災復興・福島会議の中手聖一さんは新聞で語る。21日の郡山市の放射線量は毎時1・68マイクロシーベルトまで増えている。

これから始まる大きな山場

 ICRPは07年、緊急時には一般の人が浴びる被曝線量を年間20〜lOOミリシーベルトの範囲内で対策を講ずるよう勧告した。100ミリシーベルトを超えると、個人差はあるが、急性障害が生じ始める白血球の急激な減少や脱毛などの健康に影響が出る可能性があるためだ。が、「100ミリシーベルト以下なら心配ない」と、誤った報道が繰り返される。実は1ミリシーベルトを浴びると、数年から10数年後に1万人中一人が「晩発障害」つまりガンになることが明らかになっている。このリスクは2ミリシーベルトの被曝なら2人、10ミリシーベルトならば10人と放射線量の被曝の量に正比例して高まる。ICRPの見解でも、これが世界の常識でもある。「1ミリシーベルトを浴びると、細胞の核に一本の放射線が貫かれ、細胞の化学結合は、放射線のエネルギーよりはるかに弱いので細胞は壊され、それを体が修復しようとした際にミスが生じて、ガン細胞が発生する。安全な被曝などあり得ない」と元放射線医学総合研究所・主任研究官の峰山比早子さんは警告する。

まだある最悪の危機

 工程表なるものが東電から示され、事故は収束へ向かうのかと思わせぶりな報道もあるが、誰も信じていない。大きな山場はこれから始まる。40年間、原発の危険性を訴えてきた、小出裕章・京大助教は、核分裂生成物は崩壊熱を発するため、この熱で炉心溶解は起こる。事故後の3週間で崩壊熱は30分の1程度まで減ったが、その後は大きく減らないという。「大規模な炉心溶解(メルトダウソ)の可能性は五分五分よりは低くなった。ただ100度以下にはなっておらず、冷却は不十分。できなくなれば、炉心溶解は進む」と東京新聞のインタビューに答えた。さらに、「福島では原子炉が壊れずに、メルトダウンが進む可能性がある。そうなると、高温の溶解物と下部の水が反応すれば水蒸気爆発が起き、桁違いの放射性物質が飛び出す。これが一番恐い」と警告する。

 水蒸気爆発は水素爆発よりはるかに規模が大きい。圧力容器もその外の格納容器も破壊するという。これが起きてしまえば手の打ちようがない、という。無論、東京にも住めなくなる。電気による安定した冷却は、いまだ遅々として進まない。  被災者が苦難にあえいでいるというのに、年間1880億円を5年間米軍へ支払う「思いやり予算」が民主、自民、公明党により可決された。「思いやり予算」の大部分は基地従業員の給与や基地内の光熱費で本来、日本が支出する必要のないものだ。この金額を家屋を失った人々にまわせば一戸あたり1200万円になるという。この国の政治は「漂流」を始めたのか。




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成年被後見人の選挙権

社会への「参加」の機会を奪うな

竹腰将弘(ジャーナリスト・山口在住)

 東日本大震災の救援のさなかの地方選挙が終わりました。この選挙でも、障害のある人の権利と生活を守るはずの制度を利用したことで、選挙権を奪われている人たちがいます。成年被後見人です。

 認知症や知的障害、精神障害のある人が、財産の管理や契約で不利益を被ることがないよう、後見人をたてることができるのが成年後見制度です。公職選挙法の古くさい規定が改められていないために、後見を受けると参政権が奪われます。憲法違反だと国を訴える訴訟も起きています。

 成年後見制度が始まったのは2000年4月です。同様の制度としてそれまであった「禁治産者」は、対象者を社会から排除する思想に立って人権を考慮せず、社会的にも負の印象が強いものでした。

 それにかわる成年後見制度は、自己にかかわる事柄はできるだけ自分で決める自己決定権の尊重、障害者や高齢者が社会の一員として普通に活動できる社会を目指すという理念に立ちながら、弱い立場の人を守るための制度です。

 公職選挙法第11条は、従来、禁治産者を「選挙権及び被選挙権を有しない者」としていました。制度が変わり、理念も根本的に変わったのに、公選法は禁治産者と成年被後見人を同列に扱い、引き続き参政権を奪い続けています。権利の擁護を目指す制度が、逆に安易な権利の制限を生んでいます。

 総務省は「選挙時に個別に投票できる能力を審査するのは困難なので、従前の禁治産者同様、選挙権は認めていない」といいます。投票できる能力とは何なのか。

選挙権は国民すべて平等に

 国を訴えた被後見人の48歳の女性は、成人後、地方選も含めほぼ毎回選挙に行き、自筆で投票し、選挙公報も熱心に読んでいました。07年に父親を後見人に選任してから、投票所入場券が送られてこなくなりました。成年後見制度を利用したとたんに「能力」が矢われたとでもいうのでしょうか。

 「能力」を選挙権の条件にする発想がすでに間違っているのです。財産を管理する能力と選挙で判断する能力はまったく別物です。被後見人の多くは、立派に選挙で自らの意思を表明する力を持っているのに、一律に、全面的に、それを否定されています。

 選挙は、議会制民主主義の根幹を成すものです。民主国家では、選挙権は一定の年齢に達した国民すべてに、平等に与えられなければなりません。正当な事由なしに「国民の選挙権を制限することは憲法に違反する」という最高裁の厳しい判決もあります。

 総務省がやらなければならないことは、「能力を審査」することなどではありません。一人一人が選挙をできるかどうかを「確認」し、投票するために必要な投票所のバリアフリー化、投票方法の工夫、情報の提供など、選挙権を保障する条件づくりをすることです。公選法の規定はただちに改められなければなりません。

 日本の政府は、障害をもつ人の人間の尊厳、自己決定・選択の自由を、障害をもたない人と平等に保障するという、人権保障の国際水準からかけ離れた行動をとっています。憲法13条が定める個人の尊重、人間の尊厳の理念を欠く障害者への仕打ちを目にするにつけ、憲法をこの国のすみずみまでいかそうとする私たちの運動は道半ばだと痛感させられます。




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軍関与認めた判決が確定

沖縄ノート訴訟 集団自決、大江さんが勝訴

 太平洋戦争末期の沖縄戦で旧日本軍が住民に「集団自決」を命じたとする作家大江健三郎さん(九条の会呼びかけ人の一人)の「沖縄ノート」の記述をめぐり、沖縄・慶良間諸島の当時の守備隊長らが名誉を傷つけられたとして、大江さんと出版元の岩波書店に出版差し止めなど求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は4月22日までに、原告側の上告を退けると決定し、集団自決への「軍の関与」を認め、大江さん側を勝訴とした一、二審判決を確定した。決定は21日付け。

 軍や元隊長らによる住民への命令の有無などが争われたが、最高裁は「原告側の上告理由は事実誤認などで、民事訴訟で上告が許される場合に該当しない」と、軍の関与への判断は示さなかったが、08年3月の大阪地裁判決は「集団自決に軍が深く関与したのは認められる」と指摘。「大江さんが命令あったと信じる相当な理由があった」と請求を棄却した。

 大阪高裁判決も「集団自決に軍が深くかかわったことは否定できず、総体としての軍の強制や命令と評価する見解もあり得る」と判断し一審に続き名誉毀損の成立を否定した。

 訴訟をきっかけに07年の高校日本史の教科書検定では軍の命令や記述に「沖縄戦の実態を誤解する恐れがある」との意見が付き、削除、修正された。その後沖縄県民らの反発を受け、姿勢を転換し、記述は復活した。

 大江さんは「沖縄戦の真実は戦後ずっとあいまいにされている。本土の日本人が沖縄の日本人に何を行ったのか、はっきり述べる手掛かりになる」と述べたうえで、現在の沖縄米軍基地問題にも言及し「今が戦後一番の分岐点。原発や震災とともに沖縄の未来は、日本人の大きな課題であり続けなければならない」と力強く語った。




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鈴木彰の「もしかしてオレに対する天罰か」




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二つの市民目線

鎌田富夫(向場町在住)

 東日本大震災について、多くの市民は毎日被災者の痛ましい状況を知らされ、何とかこれ以上被害が広がらないように、1日も早く終息して欲しい。そのために、みんなで力を合わせよう。事態の終息を願う、元の日本に戻って欲しい、という感情が生まれている事を感じます。

 自衛隊の活躍をみて、感動する子供たちも生まれているようです。無計画な節電、水などの品不足に翻弄される不安、早く終わって欲しいと思います。1日も早い安息を求める国民感情と言っても良いかも知れません。私は、こうした大きな国民感情の中に、深く動き始めたもう一つの激しいうねりを見ます。小さな子供を持つ若いお母さんたちの大きな不安と激しい怒りです。所沢でも放射能汚染は避けらなくなるのではないか。子供を守るため西日本に移住すると、娘さんに言われた人の話を何人かから聞きました。

 目に見えない放射能汚染は、若い世代ほど自分たちの問題として深刻に受け止められています。原発の安全神話は完全に崩壊して来ています。1ヵ月以上経って、行方不明者が1万数千人が見つからない、農業も漁業も復興の先が全く見えなくなっている、仮設住宅だけでなく地域もコミュニティも破壊されました。

 この事実を見て、日本はこのままで良いのだろうか、底辺から国民、市民の激しい問いかけが起きていると思います。

 北朝鮮、中国が攻めて来たら日本の安全は守れないと言われたが、日本の安心・安全は地震、津波、原発で破壊されました。日本の安全・安心、地域社会の安全・安心を根本から問い直す事を市民が問いかけている。もう一つの市民目線と言えると思います。

 私は九条を守る立場から、市民の問いかけに答え、平和憲法の国づくりを押し出していきたいと思っています。




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原爆と原発

持丸邦子(大学教員・山口在住)

 震災の3日後、私は中国に向かいました。中国では、地下鉄の駅や車両内のテレビが地震のニュースを流し続けていました。日本から中国に避難してくる人に、所有するマンションの部屋を無償で提供してくれるという心温まる話を上海でうかがいました。

 中国語のできない私は、3人の元日本への留学生にお世話になりました。日本の留学先はさまざま(一人は広島)でしたが、原発の危険性をきちんと理解されていました。

 私は2年前くらいから、知識人の洗脳によって原子力発電を海外に輸出し、自動車産業の次を担う産業にしようとする東電の危険な動きを感じ、ホンモノのエコを見たいと思い、「天津エコシティ」(計画人口・35万人)を訪問の第一希望にしました。ここでも、計画当初は原子力発電があったそうですが、「エコ」に原発はやはりおかしいと、太陽光、風力、地熱の自然エネルギーに変えたそうです。

 私はこれまで、広島・長崎やチェルノブイリの被爆体験者との交流などを通じて、放射能の恐ろしさを感じてきました。日本政府は被爆者の認定も後手後手に回りました。その結果が原発の安全神話につながったかもしれません。

 これまで、安全性を売りにしてきた日本ブランドの食品を中国の富裕層に輸出してきたビジネスが成り立たなくなるという危惧が今、現実になってきています。埼玉県産も輸入禁止になりました。

 原爆と原発を切り離す愚をやめて、原子力の危険性を認知することが、被爆国日本として、今なすべきことです。




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会員に聞きました 1

 未曾有の大惨事が起きて2ヵ月。いまだに余震が起き、被災地は眠れない夜が続いています。東電福島の原発事故は、これまで専門家の警告に耳を貸さず“原発安全神話”を信仰し、地震・津波からの対策を怠った結果でした。しかも、事故から10時間以上もきちんとした対策をとらなかったという初動の遅れ、合わせて二つの人災が大惨事を引き起こしました。最悪の炉心爆発という事態になれば所沢も無事ではありません。

 そこで、会員の皆さまに
1.政府の危機対応について
2.原発事故への憤りと原発を今後どうする
の二つを聞きました


1.政府要人の言うのを聞いていると、東電に気をつかいながら、原発政策を何としても助けなければという腹の中が見えてくる。津波の被害には直ぐ消費税増税を思いつく、愚かな有識者達。がやがてくる東京直下地震も考えて、備えを考え直そう。関東大震災から86年も経ちました。平均60〜70年をはるかに越しました。

2.事故当日から想定範囲外を言い続ける東大大学院教授の顔を見ながら、悪魔に真理を売り渡した科学者達の顔を胸に刻む。人間が作り出したプルトニウムという放射線原子をもてあそぶMOXという原発の恐ろしさ、福島第一原発には多量のプルトニウムがあるそうだ。1グラムの百万分の一で致命的なガンを起こすというのに、その放射能が二分の一に減るには2万4千年もかかるそうだ。これを貯蔵しても保管するためにあと一体何万年苦労が続くのか。
 人間が初めて岸壁に線刻で動物を描いたのは、今から2〜3万年も昔なのを考え合わせてはみないのか。原発とMOXは止めてくれ。(岡部昭、山口在住)


1.現政府は日本が災害大国で在る事を忘れて、事勿れ主義で日を送って来た、其れが一度大災害に直面すると、周章狼狽して為す処を知らずと云った有様で、まともな対策も立てられない、政権として失格と云わざるを得ない。こんな政府を持っているのは、日本国民の一大不幸である。

2.原発は直ちに廃止すべきである。原発に代わるエネルギー源としては、専ら再生可能エネルギーの開発を最大限に促進すべきである。私の思い付きですが、火力発電から排出される炭酸ガスを液化または固定して深海底に沈積すると云う方法は如何なものでしょうか?深海底ならば容器も水圧を受けていますから、液化ガスの圧力と見合うのではと愚考する次第です。(長田創一郎、こぶし町在住)


1.情報の迅速全面開示。

2.結果、地震大国日本に原発は不適切なので中止する。電力の合理的使用と代替電力の開発を本格的に開始する。政治家は今こそ哲学を持たなければ。(一場慎司、向場町在住)


1.政府の危機管理はまったく管理の名に値いしません。いろいろな人がいろいろなことを言っているだけだ。そのトップの人は何を考えているのでしょうか。

2.原発はもう止めましょう。自然エネルギーの開発に全力を注ぎましょう。(匿名希望、椿峯在住)


1.トップの顔が見えない。福島、郡山まで計画的避難地域に拡大との噂もある。大本営発表では、国民は信用しない。情報は、すぐに全部開示すべきだ。

2.現実問題として、3割を超す原発を直ぐに廃止することは困難。もう造らず、順次廃炉にする。他社の電力を導入のためサイクル転換装置を増強し、お年寄りのため駅のエスカレーターは動かしてほしい。(早乙女哲、山口在住)




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「九条を生かす」

●大震災と沖縄は切り離せない

 この5月は憲法施行64周年にあたります。九条アピールは、「日本国憲法が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩む」という動きの強まりに対し、「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴え、それに応えて全国で7000を超える九条の会がつくられて、「改憲」の企てを許さずに来ました。

 前回のこの欄で「日本が今度の震災復興の中で、軍事予算を大幅に削減して復興予算とし、軍備や戦争ではなく、国民生活の安全と安定こそ最も大切な国のあり方であり、それは世界の平和の中でしか出来ないのだと提起することが求められている道と考えます」と書きました。

 戦争への道ではないみちを歩もうとするとき、「基地はいらない」が真っ先にぶつかる問題です。大震災で報道の片隅に置かれている普天間基地に「伊達判決を生かす会」の皆さんが砂川から沖縄へ、そして更なる連携へと活動していると聞きました。

●伊達判決から何を学ぶか

 伊達判決とは1955年から57年にかけて、東京都北多摩郡砂川町(現在の立川市内)のアメリカ軍の立川基地拡張に対する反対運動で、基地に数メートル立ち入ったとして刑事特別法違反で起訴さる事件がありました。一審で伊達秋雄裁判長が「日本政府がアメリカ軍の駐留を許容したのは、指揮権の有無、出動義務の有無に関わらず、日本国憲法第9条2項前段によって禁止される戦力の保持にあたり、違憲である。したがって、刑事特別法の罰則は日本国憲法第31条に違反する不合理なものである」と判定し、全員無罪の判決を下しました。これを伊達判決といいます。

 それにたいして、検察側は最高裁判所へ跳躍上告し、時の最高裁は「アメリカ軍の駐留は憲法及び前文の趣旨に反しない。他方で、日米安全保障条約のように高度な政治性をもつ条約については、一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」(統治行為論)として、原判決を破棄し地裁に差し戻したのです。飛躍上告はアメリカの強い圧力によってのことでした。

 その原告と支援の人たちが「伊達判決を生かす会」を作って活動を続け、沖縄に行ったのです。昨年は「米海兵隊の普天間基地の即時閉鎖・返還を求めます。『日米共同声明』の撤回、辺野古新基地建設計画の断念を求めます。日米安保条約をやめ、軍事力によらない平和を構想しましょう」という意見広告を米国と日本の新聞に出し、この時は五千人くらいの賛同者があり、これを今年もやろうとしています。目標は一万人。菅首相が米国に行く6月に合わせて広告を出す、と話しています。また、アメリカで平和運動をしている人に連絡して伊波洋一さんを団長とした抗議団をホワイトハウスに送る行動をしようという計画もあるとのことです。大震災と沖縄は切り離しがたく結びついていることを強く意識し、運動の構築をはからなければと思うのです。
(編集長 鴨川孝司)




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紹 介

◆「ホルスの大冒険」(高畑勲監督)上映会

 日本アニメーションの転換点となった記念碑的作品『ホルスの大冒険(高畑勲監督)を映画人九条の会が上映会を行います。
日 時:5月17日(水)18時50分より
場 所:東京・松竹試写室(地下鉄東銀座下車6番出口、東劇ビル3階)
参加費:1000円、90名限定

◆バーヴェル・ネルセシアン ピアノリサイタル

日本ユーラシア協会企画 パーヴェル・ネルセシアン ピアノリサイタルは既報の通り開催されます。
日 時:5月13日(金)、午後7時開演
会 場:ミューズキューブホール。

◆革命歌、労働歌を歌う会

 60代、70代の元「若者達」が青春時代に歌った革命歌、労働歌を思う存分歌いましょう。
日 時:5月11日(水)午後2時〜4時
場 所:所沢地区労会館
参加費:500円
連絡先:大関俊雄(年金者組合)04-2993-6861

◆輝け!日本国憲法のつどい

 今年は、昨年12月に閣議決定した「平成23年度以降に係る防衛計画」の大綱についての内容と問題点を探る。
講 師:山田朗さん(明治大学教授)
日 時:5月13日(金)18時開場(入場無料)
場 所:市民会館うらわホール(浦和駅から徒歩7分)
問い合わせ:埼玉憲法会議 電話048−836−2101

◆新緑の伊豆ヶ岳のハイキング

 年金者組合、所沢支部、山歩の会が新緑の伊豆ヶ岳を訪れます。
日 時:5月24日(火)雨天の場合は中止
集 合:所沢駅2番ホーム特急券売り場付近 8時15分までに集合。出発は22分。
歩 行:正丸駅一伊豆ヶ岳一正丸峠一正丸駅
連絡先:田村 04−2993−3856

◆核兵器のない世界を子どもたちのために

 吉永小百合 原爆詩の朗読と映画「夏少女」のつどい
 原爆の傷をかかえる一家を描いた映画「夏少女」を原爆詩の朗読を25年間つづけてきた、吉永小百合さんの朗読とともにおくります。
日 時:5月21日(士)13時30分開演
会 場:川口総合文化センター・リリアメインホール(川口駅西口前)
チケット:1000円(全席自由)
主 催:埼玉県原爆被害者協議会など

◆虚空書院展(併催ところざわ学園作品展)

日 時:6月14日(火)〜19日(日)まで
会 場:ミューズ ザ・スクエア(外から2階へ)
連絡先:中川泰峯 04−2995−2402




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