機関紙56号 (2010年7月6日発行)new!



もくじ

普天間、消費税増税、定数削減と逆走する民主党、この政権は保守なのか

表紙を変えただけでV字回復の軽薄さに危機を感じる
    桂 敬一(元東大教授)
4代続いた短命政権
   劣化した政治を左右する選挙結果
    鴨川孝司(編集長)
夢も希望も理想も感じない菅首相
    白戸由郎(こぶし町在住)
ジャーナリストの視点
   「富士山」の新首相
    竹腰将弘(山口在住)
鈴木彰の「スゲ替えた顔でタライの数増やし」
政、官、財界、マスコミが歩調を合わせ…
   同盟深化と増税の推進役に墜ちた大新聞
    葛西建治(山口在住)
平和メッセージ
    名嘉司央理(なかしおり)(普天間高校3年)
いま、私は言いたい 1
   全国の若手裁判官に影響与える中山判決
    鈴木和翁(中新井在住)
いま、私は言いたい 2
   鳩山さんと180度違う日米同盟第一には失望
    持丸邦子(山口在住)
九条を生かす
   ●「慰霊の日」に沖縄では号外を発行
   ●朝日には日米安保条約改定50周年を記念する円卓会議の全面広告が掲載
    鴨川孝司(編集長)
紹介
  ●第33回瀝西美術展
  ●第23回「所沢平和のための戦争展」
  ●2010平和のための埼玉の「戦争展」
  ●所沢みんなで映画をみる会
  ●キャストの募集




表紙を変えただけでV字回復の軽薄さに危機を感じる

桂 敬一(元東大教授)

 6月2日朝、鳩山由紀夫が首相辞任の意向を表明、各紙は号外を発行するとともに、夕刊でも、そろって大見出しでこれを伝えた。そして翌朝、どこの紙面もほとんど同じような体裁で鳩山・小沢のダブル辞任、菅直人の民主党代表選出馬を報じ、あとは一気に菅内閣をめぐるあれやこれやの話題で紙面を賑わせる競争に突入、鳩山時代は、あっという間に忘却の彼方に、置き去りにされる結果となった。いったいこのような画一的で、とらえどころのない軽薄さは、どこからくるのだろうか。

 確かに事態は容易ならざるものだ。鳩山前首相失墜の最大原因となった「普天間問題」も、首相が菅氏に代わったからといって、片づくわけではない。むしろ、菅新首相は前任者が残したアメリカとの合意、普天間基地の名護辺野古への移転を、尊重するといっているのだから、前首相が辛くも逃れた沖縄の火の粉を、代わって一身に激しく浴び、事態はいっそう紛糾の度合いを増すばかり、ということになりかねない。

 ところが、新聞・テレビの世論調査では、鳩山首相末期に19%までも落下した内閣支持率が、新首相になった途端、60%以上にも跳ね上がったのだ。

 新聞・テレビが軽薄なのでなく、もしかすると、読者・視聴者、日本国民のほうがC調で、無責任なのかもしれない。

明るい話題の陰で暗く重いものが…

 だからといって、このような話題はけっして明るいものではない。閉塞状況のなかで、目先の景物が、多少変わったに過ぎない。だからこそ、「はやぶさくん」が暁の空に光芒を放って出現し、我が身を焼尽、往復60億キロの間、大事に抱きかかえてきたカプセルを地球に帰還させるとなると、新聞・テレビは2日も3日も大騒ぎし、国民の憂さを晴らそうとする。南アフリカ・ワールドカップでサッカーの岡田ジャパンが、カメルーン相手に念願の一勝をあげたときもそうだ。前日、菅内閣が参院で初の代表質問を受けたというのに、翌日の朝刊は全部、岡田ジャパンの勝利が一面トップだ。参院なんぞ、どうでもいいという感じだ。そして本田選手のシュート・シーンときたら、テレビはその後3日も4日も、同じ場面のビデオを繰り.返して放送する始末だ。

 これではまずい、と思う。国民は、みんながいっしょに喜べる時代の到来を望んでいる。メディアも、明るい話題で国民を喜ばせたい、と願望する。しかし、みんなが明るく楽しい話に飛びついている陰で、暗くて重たい力が大きく動きだし、日本を取り返しのつかない方向へと運んでいってしまうのではないか、と心配だ。

社説から消えた普天間 九条護憲空文化の恐れ

 今年も憲法記念日にちなんだ各紙の社説・論説をチェックしてみた。九条護憲に対する姿勢を判別するためだ。民主党政権が改憲方針を明確にしてこなかったせいか、概して新聞は、改憲への警戒心を緩めていた。また、「普天間問題」は放っておくと、日米間に集団的自衛権を成立させ、九条護憲を空文化してしまう恐れがあるのに、「普天間問題」に触れた社説・論説が、今回本当に少なかった。

 私たちは、安易にメディアに依存せず、ひとりであってもちゃんとものごとが考えられる自分を、取り戻す必要があるのではないか、と思わせられた。



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4代続いた短命政権

劣化した政治を左右する選挙結果

鴨川孝司(編集長)

 昨年9月、民主連立政権が成立したのは長く続いた自民党政治とそれに続く自公政権に、国民がもう変わってほしいとの意志を示したからでした。その鳩山政権が8ヵ月で崩壊し、それを「海図なき政権の破たん」と表した評論家もいましたが、これで任期1年未満の短期政権が4代続きました。それは、今までの政治では解決できない問題が山積していて、日本のあり方を転換していく舵取りが必要であることを示したのでした。

 鳩山内閣の後を受けて、菅内閣が6月に発足しました。新政権には日本の進むべき道とそのためにとるべき方策、それを現実化するための手法を明らかにしてスタートすることがが求められたのでしたが、それは形に表れませんでした。

 鳩山連立内閣が8ヵ月の短期間で崩壊したその原因とその責任について菅首相は「鳩山前総理は辞任という形で、自らけじめをつけられました。私に課された最大の責務はこの挫折を乗り越え、国民の皆さまの信頼を回復することだ」と言いました。特に政治とカネの問題を辞任でけりがついたというだけでした。

 普天間問題では「アメリカとの共同声明案を堅持する」と現地沖縄の意見を聞くこともなく、いち早く打ち出しました。

 沖縄タイムスは4月22日の主張で、「宿命論と決別すべきときだ」、「基地問題は沖縄問題という地域限定の問題ではない。この国のあり方が問われているのだ」と書きました。今日の日米安保体制がつくられる60年安保闘争の際、岸首相は裏で「核持ち込み、朝鮮半島への自由出撃、旧安保以来の米軍特権」を保障していたのです。これらの「密約」によって国民を欺いて今日の状態があります。

 普天間問題に表れた今日の日米の同盟のあり方、軍事協力、自衛隊のあり方にまで深く関わっている大きな問題を、いとも簡単にかつての道に戻っていったのでした。

 鳩山政権が「4年間はあげない」と言っていた消費税引き上げも打ち出しました。自らが副首相でいたときの「公約」をこんなにも軽く態度を変えるという新政権に政治への信頼は生まれません。「強い経済、強い財政、強い社会保障」と言葉だけが踊って、たくさんの疑問が出されています。

 そして、所信表明だけで、強引に国会を閉会しました。議論をして問題点を明らかにして国民に信を問う道はとらず、党利党略を先行させたのでした。

 選挙に入って、消費税問題が大きな問題になる中で、菅首相の意見はゆれ、財政危機を大企業への減税と引き替えに消費税を引き上げるという狙いがはっきりしてきました。

 国民新党の亀井代表は消費税などの連立政権時代の公約をないがしろにしている事を批判しました。

 内閣受諾から首相の所信表明演説、そして選挙までの短い期間ではありますが、本人の特質が表れる最初の一歩の対応を見る限り、菅内閣の民意を大事にというのは口先だけで、とろうとしている道は政権交代を望んだ民意とは反対に、大企業の利益を優先した減税、消費税増税、日本が従属した形での日米安保体制の継続へと傾斜を強めています。そして、この道での大連立への模索もちらつきだしています。参議院の比例代表制の削減の強調は、その根本的姿勢の中に民意尊重の精神はつくられてないことの象徴的な姿です。



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夢も希望も理想も感じない菅首相

白戸由郎(こぶし町在住)

 「不気味だなあ」とそら恐ろしい。

 首相が菅直人氏に替わった途端に支持率が3倍にも跳ね上がった。菅直人氏は鳩山内閣の副総理、しかも閣僚は、ほとんどが鳩山内閣からの横滑り。少なくとも新総理がどんな政策をとろうとしているかを確かめて判断すべきでしょう。

 私にとって、この国がアメリカの従属国のような状況から憲法9条の精神の方向で抜け出す努力をするのかどうかが、保守・革新の一つの目安だと思っています。迷走の上、元の木阿弥になってしまったが鳩山さんの普天間基地問題での「国外少なくても県外」や、かつての「駐留なき安保」の主張はそれが貫ければ、と期待もしていましたが……。この問題でも早々と新首相は普天間移設の日米合意を守ると米大統領に伝えたとか。

 さらには財界との距離です。「企業・団体献金の禁止」は、政党自身が決めればできることです。政党助成金はそのために配布されているのではないですか。企業献金に頼るから、派遣法の改正も財界の意向で全くの骨抜き、その真骨頂が「法人税減税・消費税10%へ増税」でしょう。国の財政のしわ寄せを消費税にかぶせるなど、本末転倒です。

 現役時代、何年か組合員の家計調査を担当していて、消費税が導入された年や、5%に上がった年の消費支出がとたんに大きく減って、こんなに敏感に反応するのかと驚いたことを思い出します。

 実行力はともかく、沖縄の基地は「国外・県外」「任期中に消費税は上げない」と言っていた前総理と比べて、夢も希望も理想の片鱗さえ感じないのが菅直人新首相のようです。




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ジャーナリストの視点

「富士山」の新首相

竹腰将弘(山口在住)

 いまから10年ほど前、当時民主党幹事長だった菅直人氏に、国会を取材する記者連中の間でついたあだ名は「富士山」でした。遠目にはまことに立派だが、そばによると瓦礫(がれき)の山だ、という意味です。

 「イラ菅」に何度もどなられ、いやな思いをした記者の私怨もあるでしょう。しかし、「市民派」の看板にはそぐわない強い権力志向、政治的な内容の空疎さ、女性問題をはじめ社会人としての未熟さなど、近くでみた記者たちの菅氏への嫌悪感は相当なものでした。

 その菅氏がとうとう日本の総理大臣になり、参議院選挙の陣頭にたっています。国民への裏切りと公約違反の数々で、政権交代からわずか8ヵ月で辞任に追い込まれた鳩山由紀夫前首相の後を襲い、支持率20%台から60%台への回復と、まことに立派な「富士山」ぶりです。

“脱小沢”を演出、国民へ説明抜きで幕引きに

 その原動力となったのは、党代表選出馬会見での「小沢氏はしばらく静かにしたほうがいい」という一言で演出した“脱小沢”でした。しかし、小沢一郎前幹事長の「政治とカネ」の疑惑については「辞職でけじめがついた」と、国民への説明抜きで幕引きの構え。まことにこころもとない“脱小沢”です。

 総理大臣ともなれば、国民もいつまでも遠目で眺めているわけにはいきません。おのずと、人格・識見から政策的方向性まで、厳しい目が向けられはじめています。

 沖縄の米軍普天間基地問題では、菅氏の無定見が象徴的に暴露されています。菅氏は、つい最近まで「海兵隊は即座に米国内に戻ってもらっていい。民主党が政権を取れば、しっかりと米国に提示することを約束する」「抑止力が落ちるという人がいますが、海兵隊は守る部隊ではありません。地球の裏側まで飛んでいって攻める部隊なのです」といったたぐいの発言を繰り返してきました。

 ところが総理になってみると、沖縄の海兵隊は「日本を防衛し、地域の安定を維持するために必要な抑止力」だとして沖縄県内の基地たらい回しを決めた「日米合意の実行を米国に誓約しました。

 「国外、最低でも県外」という公約を踏みにじった鳩山前首相に勝るとも劣らぬ公約違反。この言行不一致を国会で追及されても、「過去にいろいろな発言をしたが変わるのは政治家として当然だ」といって開き直るのですから、これでは国民は菅氏の発言の何を信じればいいのか、ということになります。

 マニフェスト発表会見で、「自民党の案を参考にした」といって示した消費税率10%への増税構想は、国民の強い反発を受けています。

 法人税引き下げと消費税増税をセットにした庶民大増税は財界シナリオ(2010年4月「成長戦略2010」日本経団連)のまるのみです。これを、民主と自民、公明が同じ方向でねらう、消費税増税「大連立」というべき政党状況になっています。

 「財政再建」にことよせますが、法人税率を25%に引き下げた場合の税収減は9兆円、これは消費税率4%分にあたり、5%引き上げるという消費税の大半は、法人税減税の穴埋めに消えます。

 財界が政権中枢で指揮した小泉純一郎元首相の「構造改革」で、国民生活が徹底して痛めつけられ、これだけ貧困と格差が広がっているというのに、これまで以上の財界奉仕のためには、4人家族で年16万円という新たな庶民大増税を厭わない首相の態度は、とんだ「市民派」です。

辺野古回帰、増税は国民への背信、裏切り

 わが「富士山」首相は、強い権力を握るために、鳩山政権の轍を踏まず、日米支配層にしっかりと軸足を置く腹を固めたようです。これは、米国言いなり、財界べったりの古い自民党政治への逆戻りにほかなりません。昨年の総選挙で自民・公明政権を退陣させ、新しい政治の実現を願った国民への根底からの背信、裏切りです。

 憲法を日本社会のすみずみまで生かし、平和で、豊かな国をつくることを目指す私たちは、こんどの参院選で、この内閣にどういう審判を下すのか、よくよく考えるときがきています。




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鈴木彰の「スゲ替えた顔でタライの数増やし」




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政、官、財界、マスコミが歩調を合わせ…

同盟深化と増税の推進役に墜ちた大新聞

葛西建治(山口在住)

 驚愕すべきことが相次いでいる。いったい何のための政権交代だったのか。

 本紙53号で桂敬一さん(元東大教授)は、大新聞が普天間基地の移設をアメリカに約束した通り、辺野古に決めろとこぞって叫び出す大新聞の異常報道を鋭く指弾した。そうしているうちに、突然、首相を投げ出した鳩山氏の後を受け登場した、菅直人首相は、沖縄の総意を顧みることなく、日米合意なるものを振りかざし、再び辺野古に米軍基地建設を押しつけた。その結果、大新聞の紙面からは、「普天間」は消えてしまった。「菅君それでいいのだよ。日米同盟深化こそ最優先の政策だよ」との大新聞の幹部の高笑いが行間から聞こえてくる。

 海兵隊基地を辺野古に建設、庶民増税、あげくのはて定数削減で少数政党の議会から排除とくれば、「富国増兵」、「翼賛政治」ではないのか、それを、政・宮・財界・マスコミが一体となって進めている。この不気味な風はどこから吹いているのか。

「抑止力」と軽々しく使うな

 菅首相は野党時代に、「沖縄の海兵隊は抑止力ではない。世界で戦争をするために駐留している。日本を守るためではない」と政府を追及している。その通りである。が、首相になると一転し、沖縄の海兵隊は「抑止力」と明言した。自分の発言には、責任を持つべきだ。

 そもそも「抑止力」なる言葉は歴代政権は絶対に言わなかった。米国議会で国防総省は沖縄の海兵隊について「日本の国土防衛のためにいるわけでない」と明白に認めている。「抑止力」が語られたのは、小泉政権下における普天間再編議論の中でのことだ。抑止力ではない海兵隊のために巨大な基地を建設する矛盾を国民に説明するために、苦しい言い訳であった。一国の総理が軽々しく使う言葉ではない。だから貴方は「カルカン」と言われるのだ。

 見逃せないのは、公表された日米合意に「辺野古」以外に重要な文言があると週刊誌などで指摘されている。グアムに建設する海兵隊基地に「思いやり予算(在日米軍駐留経費負担)」を支払うことを検討するという内容だ。このことを米側が強く要求し、鳩山前首相が事態をこじらせた“詫び料”として検討を約束したと報じられている。これは、あらたな密約ではないのか。

 戦争前、普天間一帯はさとうきび畑だった。沖縄の地上戦が終わると、米軍は土地を召し上げ、強制的に本土空襲用の飛行場を建設した。住む土地を失った住民は飛行場の周辺にへばり付くように住み着いた。旧軍の飛行場を拡張した米軍の嘉手納や三沢、横田とは成り立ちが異なる。辺野古に新基地ができても、普天間が返還される確かな保障はない。 それは、日本に基地を置いた方が経費が安く済むからである。

軍事同盟があるから負担も

 東京新聞の日曜版が詳しく報じたが、日本は90年代後半から02年にかけて国内の米軍駐留経費の75〜76%を負担してきた。私有地の借料、基地に働く従業員の労務費、光熱水料、周辺対策費など財政支出が伴う「直接支援」が7割を超え、総額44億1千万ドルと巨額な負担となっている。直接支援する国は、日本以外に韓国、イタリア、クエート、英国、アラブ首長国連邦の6カ国だけだが、ドイツの直接支援は、総額15億ドルのうち、1%程度で残りは公有地の借料、各種免税措置などの間接支援である。韓国は8億4千万ドルを支出しているが、直接支援は57%と日本よりは低い。

 負担額はすべて血税である。こんなに払ってもらえるなら、米軍基地が日本から出て行くわけがない。しかも、民主党が好む、「仕分け」の俎上にもあがらないのはどういうことだ。

 諸悪の根源は軍事同盟(日米安保条約)にある。世界で軍事同盟の解体が進み、リオ条約、アンザス条約、東南アジア条約機構(CEATO)など次々に消え、現在残っているのは、北大西洋条約機構(NATO)、米韓相互防衛条約、米豪相互防衛条約(アンザスからニュージーランドが離脱)と日米安保条約の四つにすぎない。とりわけ、米韓と日米の軍事同盟が多額の駐留経費の負担を強いられている。

 政権交代で多くの国民は日米の新しい関係に期待したが、見事に裏切られた。しかも、米軍の訓練地が全国に広がるなど、自公政権より悪くなった。しかし、新聞から踏み込んだ報道は見られない。

 大新聞の論調は、日米同盟の深化と消費税増税の推進の路線である。読者・庶民の目線を完全に忘れている。経営が苦しくなると、軍部批判を怠り、侵略戦争に手を貸した、戦前の新聞界と似てはいないか。

 広告が大幅に減少し、若者を中心に新聞離れが進み、大新聞の多くは赤字決算に転落している。このままでは、生き残れる新聞社は数社とも言われている。

 だからと言って、ジャーナリズム(権力の監視)を忘れ、権力に無批判にすり寄ると、新聞への信頼はますます薄まる。まさに岐路にある。




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平和メッセージ

名嘉司央理(なかしおり)(普天間高校3年)

変えてゆく

今日もまたはじまる
いつもの日常
当たり前に食事をして
当たり前に好きなことを学んで
当たり前に安心して眠りにつく
そんな普通の一日

今日もまたはじまる
いつもの日常
当たり前に基地があって
当たり前にヘリが飛んでいて
当たり前に爆弾実験が行われている
そんな普通の一日

一見「平和」に思えるこの小さな島
そこにいつの間にか当たり前ではない
当たり前であってはならないものが
入り込んでしまっていた

普通なら受け入れられない現実を
当たり前に受け入れてしまっていた

これで本当にいいのだろうか

平凡な幸せを感じながら
ただただ「平和」を望む今
簡単にこの違和感を
無視していいのだろうか

黒いたくさんの礎
刻まれるたくさんの名前
そこで思い知る
戦争が残した傷跡の大きさ深さ

何も幸せなど生まれなかった
何も手に入れたものなど無かった
すべて矢ったものばかりだった

忘れてはならない
この島であった悲しい記憶
目を背けてはならない
悲しい負の遺産

それを負から正に変えてゆく
それがこの遺産を背負い生きてゆく
私達にできること

変えてゆくのは難しい
しかし一人一人が心から
負である「戦争」を忌み嫌い
正である「平和」を深く愛する
そんな世界になれば
きっと正の連鎖がはじまるはずだ

六月二十三日慰霊の日
あの黒いたくさんの礎には
たくさんの人々が訪れる
そしてその一つ一つの名前に触れ
涙を浮かべながら語りかける

「今年も会いに来たよ」と
手を合わせ目を瞑り祈りを捧げる
その訪れた人々に
「平和」を願わないものはいない

「一度あった事は二度ある」
そんな言葉を聞いたことがある
しかしこんな悲惨な出来事は
もう繰り返してはならない
だから…
「一度あった事は二度とない」に
変えてゆこう平和で塗りつぶしていこう

その想いはきっと届いているはずだから




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いま、私は言いたい 1

全国の若手裁判官に影響与える中山判決

鈴木和翁(中新井在住)

 ビラ配布を口実に逮捕され、国家公務員法違反に問われている堀越、宇治橋両事件に対する東京高裁判決が相次いで出されました。堀越事件につて、中山判決は、「表現の自由は政治活動の自由も含まれる」とした上で、「日曜日に、職場自宅から離れた地域で、支持する政党の機関誌を郵便受けに投函した」「この程度の行為で行政全体の政治的中立性に対する国民の信頼が失われる危険があるとは言えず、刑罰を科すのは憲法に違反する」として無罪を。

 一方、宇治橋事件について出田判決は、表現の自由については一言も触れないまま、「機関誌の配布は政治的偏向が強い行為で、放任すると行政の中立的運営が損なわれ、党派による不当な介入干渉を招く虞がある」として有罪の判決を下しました。

 朝日新聞の5月15日の論説は、この判決について、「公務員の地位や権限、仕事の中身と性質、政治活動の内容や態様、様々な事情を考慮し、問題のあるなしをケースごとに見極め、無罪判決を導き出した中山判決に理がある」と出田判決を批判しています。

 世間の常識と司法の常識の乖離の大きさがいろいろな場面で問題になってきましたが、今回は同じ東京高裁で、真っ向から対立する中山判決と出田判決が出たわけで、36年前の猿払最高裁判決が憲法違反か憲法違反でないか、大法廷で勝利の決着をつけなければなりません。いずれにしても、最高裁のエリートコースを上り詰めてきた中山隆夫裁判長のこの判決は、全国の裁判官、とりわけ若手裁判官に大きな影饗を与えることは間違いないように思われます。




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いま、私は言いたい 2

鳩山さんと180度違う日米同盟第一には失望

持丸邦子(山口在住)

 菅直人、鳩山由紀夫、そして、プレスリーファンだった小泉純一郎のうち、鳩山由紀夫だけに米国留学経験がある。

 5、6年もいれば、良いところも悪いところも見えたはず。今回、鳩山さんだけがアメリカに意見を言えた。

 たったいま、記者クラブでの与野党党首の参院選挙に向けての意見表明(?)をTV中継で見た。

 民主党の菅直人は、市民運動出身、ということで期待していたが、すごくがっかりした。財政問題ではなく、安全保障問題に関して。鳩山さんの方向性と180度違う。なるほど、普天間問題で菅副首相は何もしなかったのだろう。それよりも足を引っ張ったかもしれない。それで、就任早々「日米同盟第一」と宣言したのか。

 鳩山首相と菅副首相との意識のギャップは大きかったのかもしれない。そして、メディアも今までのスタンスを変えられず、官僚は省益を守るために鳩山さんを応援はしなかった。

 私たち市民運動に携わる側も鳩山さんのバックアップができなかった。実はここ所沢市でも私たちは似たようなことを経験している。所沢では財政問題の方が問題となっている。反対するのは得意なんだけれど……。

 また、仕切り直しか。日本から基地をなくしていくための“ツボ”がどこかにあるのではないか。

 韓国の市民は脅威論をかざされながらも、衝突回避の政治選択をした。

 「リーダーはフォロワーがつくる」という言葉がある。9条支持派が与党内に多い間に日本から基地をなくす運動に力を入れなければ。時間はあまりないように思う。




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九条を生かす

●「慰霊の日」に沖縄では号外を発行

 6月23日、沖縄では「沖縄タイムス」「琉球新報」が号外を出して「慰霊の日」の行事を詳しく県民に知らせました。今から65年前の1945年6月23日、アジア太平洋戦争末期に沖縄で繰り広げられた日米最後の激しい地上戦が事実上終結した日です。

 沖縄県の援護課は「沖縄戦の全戦没者は20万666人。日本軍9万4136人(県出身将兵2万8228人台む)に匹敵する約9万4千人の民間人が犠牲になった」と記録しています。

 沖縄タイムスの号外には「米、沖縄に感謝決議へ」との見出しで、ワシントン共同として「米超党派議員団は22日、日米安全保障条約の発効50周年に合わせ、在日米軍を受け入れている沖縄の住民に感謝を表明する決議案を下院本会議に提出した。早ければ23日にも採決する見通し」との記事があります。どんな思いで沖縄県民はこれを読んだでしょうか。

●朝日には日米安保条約改定50周年を記念する円卓会議の全面広告が掲載

 琉球新報の号外には、追悼式で仲宗根義尚県遺族連合会長が「政府は、普天間基地の移設を国外県外と公約したが、普天間基地移設を辺野古崎として日米で合意し、菅直人総理も踏襲を明言した。県議会の決議や県民大会で県民の意思は明確に表明されており、戦争につながるいかなる行為も反対の観点から容認できない」と述べたと報じています。

 この日、朝日新聞には「50周年を迎える日米同盟/岐路か継続か」との大見出しで、5月24日、東京において日本国際フォーラムと全米外交政策委員会(MCAFP)の共催する「日米安保条約改定50周年を記念する円卓会議」が開かれたとの1頁全面を使った意見広告がありました。

 そこに「この6月23日という特別な日(50年前のこの日に、日米安保条約の改定が発効しました)にこの『円卓会議』の成果を報告出来ることをうれしく思います」と伊藤憲一理事長が書いています。そして、セッション1「日米同盟と中国の台頭」で、「日米とともに相手の外交政.策を当然視できなくなってきつつあることは問題だ」との基調報告。セソション2「変化する世界における日米同盟」の討議の中で「自衛隊は危険のないところにしか行かないで良いのか、憲法問題にまで遡って日本という国のあり方を議論すべきだ」などの問題点が指摘されたとあります。

 この日の琉球新報の社説は「慰霊の日/軍隊は住民を守らない今こそ沖縄戦の教訓後世に」と書き、沖縄タイムスの社説は「『慰霊の日』に悲しみと鎮魂と怒りと」と、沖縄戦の風化に警鐘を鳴らしています。

 6月23日をめぐる日本の一断面ですが、あらためて憲法九条を光り輝かせる大事さを深く心に刻みました。
(編集長 鴨川孝司)




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紹介

●第33回瀝西美術展

会 期:7月5日(月)〜11日(日)
会 場:所沢市文化センター(ミューズ)2階展示室
    油絵、水彩、日本画など


●第23回「所沢平和のための戦争展」

日 時:8月1日(日)〜4日(水) 最終日は4時まで
会 場:所沢市役所ギャラリー


●2010平和のための埼玉の「戦争展」

日 時:7月29日〜8月2日 10:30-18:OO
会 場:浦和駅西口前コルソ7階ホール
 今年の見どころ満蒙開拓団を送り出した村の記録、高校生・学生たちが調べた戦争のこと、NPT再検討会議と核兵器廃絶の展望など。


●所沢みんなで映画をみる会

昭和から愛「三十九枚年賀状」
日 時:8月9日(月) 13:30開場
会 場:ミューズ小ホール
 図師三千男監督の舞台挨拶があります。鑑賞希望者は、所沢地区労内「所沢みんなで映画をみる会」に連絡下さい。電話04-2992-9927


●キャストの募集

歌あり、笑いあり、恋いあり、そんな若者たちのミュージカル「青春の歯車」がキャストを募集しています。
顔合わせ7月23日(金)19時〜練習開始
けいこ場所:所沢労音事務所(所沢市緑町4-30-2高栄ピル2F)
月 謝:4000円(演技、歌、ダンス込み)
問い合わせ:所沢労音04-2939-1399




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