機関紙48号 (2009年9月11日発行)new!



もくじ
自公政権の退陣を迫った民意と憲法の行方
   益夫と文子のトーク
鈴木彰の「ハトが出てオセロゲームひと区切り」
総選挙特集 検証1
   自公大敗でも、対米従属にしがみつく改憲メディア
    桂 敬一(元 東大教授)
総選挙特集 検証2
   テレビの選挙報道も曲り角?
    岩崎貞明(放送レポート編集長)
総選挙特集 検証3
   改憲派議員同盟が大量落選 草の根の運動いよいよ重要に
    竹腰将弘(ジャーナリスト・山口在住)
  ・見る 聞く 語る
   NHKの特集番組に感動 人権無視の軍国主義、派遣切りと同根
    本間昭信(中新井在住・世話人)
坂本修弁護士が「比例定数削減の危険な狙い」を上梓
あれこれ (22)
   アバンティポポロ
    増岡敏和(詩人)
09原水禁世界大会に参加して
   核廃絶に動き出した世界の潮流を実感
    畑中 繁(牛沼在住)
9条定点観測
    鴨川孝司(編集長)
短信
  ●ピースランナーの馬籠正雄さんが第8回スケッチ展
  ●ユーラシア名画シリーズ 第57回上映会 バレエ「白鳥の湖」
  ●守ろう・生かそう・憲法「九条美術展」
  ●岡部昭彫金展
  ●所沢演劇を見る会 71回観劇会「修学旅行」
  ●「9条の会ところざわ」結成5周年記念集会
  ●あの感動を再び ナバサルジャンが所沢で演奏




自公政権の退陣を迫った民意と憲法の行方

益夫と文子のトーク

益夫
 民主党の圧勝には驚くが自民党の凋落は予想していたとはいえ、これほど激しいとはびっくり。でもこれが小選挙区制のなせるものであることもはっきりさせておかないといけないと思う。

文子
 そうね。自民崩壊なんて言っている評論家もいましたが、何故こんな事態になってしまったのか。私が思うのは10年に及ぶ自公連立政権の政治に対する国民の不信と怒りがマグマとなって表れたのだと思う。実際、福祉の切り捨てやブッシュ政権へのしもべみたいな外交活動は情けないぐらいでしたからね。自民党の地方組織なんかガタガタと言うし、政党としての活動は出来なくなっていたのでは。

益夫
 05年の小泉劇場と言われた総選挙の時も、自民党“圧勝”は「一過性」との見方もあり、小選挙区部分の得票率が47・8%なのに議席獲得率73%を得たのは「国民の意思との乖離という小選挙区制度の持つ弊害の表れという意見があった。今回の民主党の勝利というのも国民の意思をどれだけ反映しているかきちんとみておく必要があるね。

文子
 自民と連立を組んできた公明党のあり方も問われましたね。庶民の味方と言いながら、実際は自民党の進める大企業や金持ち優位の減税の推進、福祉の切り捨てを推進する為の煙幕の役割でしかなかったことがはっきりしてきましたね。太田代表の選挙応援に自民党本部が党員名簿で「太田に入れて下さい」とやっているのをテレビで見ましたが、なりふり構わぬやり方でも、前回選挙から比例代表の得票で93万票も減らしているのは、やがて天下をと権力に近づいた思惑が逆の結果を招いたと言うことになりますね。ところで政治はどう展開していくのか、本当に国民の生活改善がされていくのならいいのだけど。

益夫
 自公政権を変えたいという国民の大きな願いが、民主党のマニフェストのあいまいさや不安をそのままにして民主党にまず勝たせなければと動いたからね。世論調査にはその不安と不信の数字が過半数を超えているとはっきり出ていた。

文子
 私は民主党のマニフェストの無駄をなくすという項目で、比例定数180を80に削減するというのは大問題と思っているの。議員一人あたり1年に9700万円かかるから定数を削減するという乱暴な議論。海外旅行や特権の見直しなど、議員活動の無駄をなくすとか政党助成金を減らすというなら判るが、少しでも国民の意思を表している比例定数を減らすというのが無駄をなくすという発想で、まともな政治を進める感覚はないのではと思っているの。

益夫
 それに憲法改正問題も目を光らせておかなければならない問題だ。選挙期間中はこの問題について社民党との連立も考慮してかあいまいな言い方をしていた。生活を守ることでも外交でも政権をになえば、道筋をはっきりしていかければならなくなる。それに当選した多くの議員は真剣に国民の生活を守らなければと訴えて支持を集めたのだから、それを大事にしていくことが求められている。だから、国民の側からのこれは進めてほしい、これは駄目とはっきりした意見の表明がますます大事になってきたことは確かなことだ。共産党、社民党の役割も大きくなっているのではないか。



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鈴木彰の「ハトが出てオセロゲームひと区切り」



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総選挙特集 検証1

自公大敗でも、対米従属にしがみつく改憲メディア

桂 敬一(元 東大教授)

 8・30選挙は、民主党独り勝ちの結果に終わった。だが、これで時代が大きく変わると、どれほどの人が思うだろうか。

 選挙前、「歴史的転換期に臨む選挙」と大騒ぎした政党もメディアも、どのように歴史が変わり得るかのビジョンを、説得的にはまったく説明していなかった。政党マニフェストは、高速道路料金は片方が休日割引といえば、他方は無料化だといい、子育て補助は一方が高校無償化といえば、もう一方がぜロ歳からの育児補助だといい、自民党も民主党も、同じようなバラマキ的政策が多いので、どれがどっちの政策か、わからなくなるほどだった。これでは、どちらが政権を握ったら、どのように歴史が変わることになるのかは、わかるわけがない。

 それならば、民主党が政権の座に就いたら世の中はこんなに変わるぞ、とメディアが示したかといえば、どの新聞もテレビも、有権者を満足させるようなビジョンを提示、議論を起こすようなことができたとは、到底思えない。従来型の日米同盟維持、インド洋給油続行・ソマリア沖海自派遣賛成、改憲推進の読売、日経、産経は、歴然とした自民支持派だから、自公政権維持に執着するだけだった。テレビはNHKも含めどの局も、初の裁判員裁判、酒井法子覚醒剤事件で持ちきり。変化へのビジョンなど示せるはずもない。

 だが、それでも、自公政権に飽き、麻生首相の顔はもう見るのも嫌だとなった有権者は、その反動で民主党に308もの議席を与え、55年つづいた55年体制は崩壊した。確かにこれはおおごとだ。もしかしたら、これで歴史的転機が到来するかもしれない。

 しかし、産経は「現実路線で国益を守れ」と民主党を牽制(主張・8月31日)、読売も「基本政策は継続性が重要だ」(社説・9月1日)、「現実的な安保政策が不可欠だ」(同・2日)、「鳩山対米外交信頼構築へ言動が問われる」(同・4日)、日経「鳩山政権は『対米政策』で豹変せよ」(同・2日)と、対米関係について民主党に、変わるな、変えるなと叫びつづけるのだからひどいものだ。

護憲の朝日の記事に疑義

 ところが、二大政党制支持で民主党支援を特徴とする、護憲の朝日が、投票日まであと2日の8月28日の朝刊・オピニオンページに、共和党右派のN・ギングリッチと民間シンクタンクのM・グリーンから寄稿を仰いだが、二人の意見が「日米同盟が変わらず、官僚がしっかりしていれば、政権は自民、民主のどちらでもいい」とする代物だったのには驚いた。これは朝日の本音なのではないだろうか、と疑った。

 核兵器使用国としての道義的責任に立ち、世界の核廃絶を目指すといったオバマに対して、唯一の核兵器被爆国・日本が全面協力を約束、憲法九条をそのために活かしていくことこそ、今私たちが持つべきビジョンなのではないか。選挙は終わった。だが、そうした針路を確立する課題の重要さが、ますますはっきりする状況となっている。



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総選挙特集 検証2

テレビの選挙報道も曲り角?

岩崎貞明(放送レポート編集長)

 民主党が308議席を獲得した今回の総選挙。一方の自民党は181議席近くを失う結党以来の大敗北を喫し、公明党も幹部が次々と落選した。歴史的とも言える選挙だったはずだが、テレビの報道はむしろ冷静すぎるくらいの印象だったのはどういうことだろうか。投票前の選挙関連報道も、05年の総選挙と比べ半減しているという分析もあった。

 郵政民営化の是非が「争点」とされた「9・11選挙」の熱狂的騒ぎの反省からか、メディアはまるで「羹に懲りて膾を吹く」有様だった、と言える。

 ニューヨーク・タイムス電子版は「日本の野党が地滑り的大勝利」とする記事の中で「この国の伝統的に受け身な有権者たちが、自らの手で国をコントロールできることを示した活力あふれる瞬間」と評したが、有権者が自らの手で政権を取り換えたという高揚感は、どこを見でもほとんど感じられない。マニフェストには美辞麗句が並んでいても相変わらず先行きは不透明で、新政権がめざす方向性を示し切れていないからだろう。

 むろん、小選挙区制導入以来の最高投票率69・28%と有権者の関心は高かったはずで、テレビの開票特番も、各局それなりに力を入れていたように思う。NHKは初めて午後7時55分の投票締め切り前に特番に入り、24・7%と安定的な高視聴率を記録した。

消えた公明党のテレビCM

 ところが今年は日本テレビの開票特番が同時間帯で26・4%を記録、各局のトップを占めた。もっとも、これは直前まで放送していた『24時間テレビ』が終了間際に37・5%の瞬間最高視聴率をマークしたことが大きな要因だろう。やはり大方の視聴者の注目は、選挙情勢より「珍獣ハンター」イモトアヤコのマラソンゴールのほうにあった、ということだろうか。

 投票前に放送された政党CMについても、今回は異変があった。公明党が、インターネットには動画広告を出したのにもかかわらず、テレビCMはいっさい出稿しなかった。選挙におけるテレビの位置づけも、いま曲がり角を迎えようとしているのだろうか。



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総選挙特集 検証3

改憲派議員同盟が大量落選 草の根の運動いよいよ重要に

竹腰将弘(ジャーナリスト・山口在住)

 今回の総選挙結果で、ある改憲派の議員同盟の衰退に注目しました。自民、民主、公明、国民新などの各党議員でつくる「新憲法制定議員同盟」です。1955年に旗揚げし、改憲を軸に保守合同を導き、自民党結党の核になった自主憲法期成議員同盟を前身とする、なかなか由緒ある団体です。

 長く活動を中断していた「同盟」が再発足したのは2007年3月。安倍晋三内閣が憲法「改正」を現実の政治日程にあげようとした時期でした。

 しかし、この改憲策動は07年夏の参院選での敗北で一頓挫。その後、同同盟は、九条の会に対抗する改憲の疑似「国民運動」に取り組む方針を掲げ組織を拡大、08年3月には民主党の鳩山由紀夫氏を「顧問」に迎え、超党派の新たな陣立てで、改憲運動の先頭にたちました。

 その段階で、現職衆院議員139人にまで拡大した議員同盟が今回総選挙でどうなったか。自民党を中心とした大量落選で、53人しか生き残れなかったのです。憲法問題の専門家は「多くの議員が国会という活動の足場を矢い、ロケットの推進部分が損傷したようなもの」と評しました。

 旧来の国会の改憲勢力が大後退し、新たな力関係が生まれています。問題は、民主党中心の新しい政権で憲法がどうなるかです。民主党は総選挙マニフェストで憲法に「改めるべき点があれば改める」といっています。新総理となる鳩山由紀夫代表自身は、議員同盟の「顧問」も務める改憲派です。鳩山氏が2005年に発表した『新憲法試案』は、戦力の不保持を定めた9条2項を「現行憲法の最も欺瞞的な部分」と敵視し、「日本国は、自らの独立と安全を確保するため、自衛軍を保持する」という条項を書き込むといっています。しかし、今回大量に当選した民主党議員も鳩山氏も、選挙のときにこんな主張はしていません。

憲法どうする民主の新議員

 各メディアが行ったアンケートをみると、民主党の候補者のうち「憲法は改正すべき」としたのは約半数、憲法九条については「改正に反対」が6割を超えています。143人もの新人議員を抱えた民主党ですが、その多くはいまの世論の大勢と同じく、「九条は守るべき」と考えながら議席を占めた様子です。それでいて、いざ政権についたら憲法に手をつけるというなら、国民の猛反発が起きることは必至です。

 選挙で民主党に入れた人も、九条を破壊し、日本を「海外で戦争する国」にすることなど望んではいません。

「からめ手」に警戒を

 民主党はマニフェストで、衆院の比例定数・削減を掲げました。これは、国会から少数政党を締め出し、安定した与党で改憲をするためです。こうした方向から改憲の条件整備をすすめるという「からめ手」にも警戒を要します。

 安倍内閣が強行した国民投票法は来年5月に施行になります。これをにらんで、衆参両院の憲法審査会を始動させようとする改憲派の動きも強まるでしょう。いま、憲法を守る草の根の運動を大きく広げる必要があります。



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見る 聞く 語る

NHKの特集番組に感動 人権無視の軍国主義、派遣切りと同根

本間昭信(中新井在住・世話人)

 戦後64年目の夏が去ろうとしている。今年の夏も戦争と平和についてあらためて考えさせられた夏であった。

 8月には多くのマスメディアが“戦争と平和”についての特集を組むが、中でもNHKのBS放送を中心に放映している特集番組に高い評価を与えたい。

 NHKは2011年を目指して「証言記録」シリーズという番組制作を進めており、戦争体験者が高齢化しその生の声が失われつつある中で、貴重な証言を映像に残そうと努力している。昨年から制作放映されている「証言記録 兵士たちの戦争」を引き続き進め、更に今年から「証言記録 市民たちの戦争」の制作放映が始まった。

 「兵士たちの戦争」は、15年戦争の渦中の中国・東南アジアの戦場、太平洋諸島の戦場の実相を当時のフィルム、高齢者となった元兵士の証言で生々しく再現している。特に元兵士の口から語られる被害及び加害の体験は、苦渋に満ちた表情、こらえようも無く流れ落ちる涙によって、その悲惨かつ残酷な体験がいかに非人間的なものであったかを雄弁に物語っている。

 「市民たちの戦争」では、被害体験が多いが、こども・一般人など戦争勝利を信じ込まされた無辜の人びとがいかに多くの被害を被ったか、今まであまり耳にしたことの無いケースが掘り起こされている。例えば、東京・武蔵小山の商店街の人びとが開拓団として旧満州へ送られるという強制転業の話、青森で空襲から避難した人びとが避難を禁止され、戻らなければ配給を止めると警告され、戻ったがために多くの犠牲者を出したという話なども私は初めて耳にしたことだ。

 これら戦争特集番組の中で、あらためて強く怒りを感じたのは、軍国主義の人権無視の思想である。証言の中で、兵士が上官から「馬(軍馬)や犬(軍用犬)は軍用品(大事なもの)だ。お前たち兵隊は1銭5厘でいくらでも補充できる」と言われたと述べていることだ。この思想は戦後の民主化によって払拭できたのだろうか。

 いや、今でも企業の利益のためには派遣切り・非正規労働は必要という思想の中に受け継がれていると思う。憲法九条が無くなり戦争する国になれば、公然と人命・人権無視の思想が復活する危惧を持たざるを得ない。


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坂本修弁護士が「比例定数削減の危険な狙い」を上梓

 「ムダをなくす」「国民が生活に苦しんでいるのに、公務員、国会議員の定数がこのままでいいのか」など、いつもの常套手段で国会議員の比例定数削減の企みが浮上している。政治「改悪」を政治「改革」と言い換えるなど権力を握る者たちの“ごまかし”を、もう終わりにさせなくてはならない。

 こんな時に坂本修さんの『比例定数削減の危険な狙い』(新座革新懇)が上梓された。1987年、政府・財界は「小選挙区制」導入を本格化し、第8次選挙制度審議会を発足させた。委員27人のうち12人をマスコミ関係者が占め、会長に読売新聞社長・小林与三次氏をすえた。こうしたところからマスコミ関係の諸団体、労働組合は反対運動の取り組みを強化した。

 そのとき自由法曹団の小選挙区制反対闘争委員長が坂本修さんだった。15年余前の“絶望・虚脱感”を味わった夜から、諦めず、またたたかいを続けている。革新懇の前進、7500を超す「九条の会」の活動など憲法に対する「思い」が深まっている。「主権が国民に存する」ことを明記した、前文に始まる「日本国憲法」を真に一人ひとりのものにするため、本書が活用されることを願っている。(間島)



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あれこれ (22)

アバンティポポロ

増岡敏和(詩人)

 これはイタリア行進曲で、「人民よ進め」という歌である。戦後10年間ばかり私らが青年時代に皆んなしてよく歌った(がなり立てるように)ものである。民青同盟の歌の上手い者が指導によく来たが、音痴気味の私も仲間に引き入れられたので、いまでも流れには就いてはいける。私はその後に、こんな詩を書いているので紹介する。

 ----アバンティポポロ アラリスコッサ
 音痴の口を大きく開いて歌うと
 森羅万象なみそろい
 腹ぺこの青春が騒立(さわだ)ってきて
 いまでも 風に胸突き出し
 閃光に灼かれた死者たちと肩を並べて
 あの日の広島の荒野に
 ----エビバコンミニズムマ エバリィベルタ
 拙いながらおのれを果敢に組織した あの
 若い日の時間が弾けてくるのだ



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09原水禁世界大会に参加して

核廃絶に動き出した世界の潮流を実感

畑中 繁(牛沼在住)

 4月、オバマ大統領の宣言以来、歴史的チャンスと世界は動きました。

 8月7日、ここ長崎の市民会館体育館・市民ホールに世界各地から、日本は北海道から沖縄まで7000人以上の人々が集まりました。各県各団体の幟が林立し熱気につつまれ立錐の余地もないほどでした。

 各国代表のなかで全米平和主義連合のジャッキー・カバソさんは次のような報告演説をしました。  「米国政府は核兵器使用に対し、日本国民に犯罪的野蛮な行為があったと謝罪すべきです。この謝罪は核兵器廃絶に不可欠な核抑止力の非合法化を大きく促進させるものです。オバマ大統領の『核兵器のない世界を』のつぎにことわりがついています『アメリカは核兵器の存在するかぎり核抑止は維持する』と言っています。64年間、米国の国家安全保障政策のカナメとして核兵器を維持することで成功してきたからです。アメリカの指導者が変わったが、周りの構造と利権は変わっていません。元政府高官や軍高官、核体制の有力者達はオバマ大統領の失敗を狙っています。私達は今後も監視しなければなりません。核軍縮により平和で安定的で繁栄の未来を取り戻すことだと藩基文国連事務総長は最近言いました。この核兵器廃絶運動を私たちみんなが支持することにより価値があるのです」この演説は満場を沸かせました。

 8月9日の新聞によると米空軍は28年ぶりに新軍団「グローバル戦略攻撃軍団」を発足させました。昨年10月ブッシュ政権下で空軍による核攻撃の指揮統一のためにかかわることと報じられていましたが、抑止力維持を理由にする抵抗勢力の力の強さが見えています。このようなことをカバソさんは心配していたのです。

非核三原則は国是

 2日目「核兵器廃絶と軍事費削減、格差・貧困の克服」というテーマの分科会に参加しました。日本の軍事費拡大路線は国民生活破壊、社会保障費削減の政策と表裏一体にあり、アメリカの兵士の現状(アメリカは志願兵なので下層の若者が多く、兵役終了後大学への奨励金制度や市民権獲得のアメがある)は、戦争と貧困は同根の関係にある等、討論・発表がありました。

 9日、閉会の全体会議で、「64年たったが、真夏の暑さのなかの荼毘や半分炭化している臭いなどは今でも忘れられない。この悲惨さを風化させない為にも核廃絶運動を続けていきましょう」と切々と訴えていました。

 アメリカの公文書で核持ち込みが明らかになりましたが、日本政府は「NO」の一点張りです。自民党からも核軍縮・核廃絶と言う言葉は聞かれません。核の傘の政策を良しとし、核実験したとなりの国が今に攻撃してくると考えているのでしょうか。

 非核三原則は国是として決まっているのですが、これを二原則にしようとか、いや憲法九条を変えようという人が選挙で圧勝した民主党にたくさんいます。

 07年1月、アメリカのキッシンジャー元国務長官ら4氏が「核兵器のない世界と言う目標を設定し、この目標を達成するのに必要な行動に精力的に取り組むことを支持する」と提言しました。この後、08年12月パリで世界の有識者100人が核兵器廃絶を目指す「グローバル・キャンペーン」が開始され、ゴルバチョフ元ソ連大統領も署名しているのです。

核廃絶は人類の願いだ

 8月15日、NHKテレビで「日本のこれから、核廃絶は可能か?」という番組がありました。核の傘・非核三原則・核保有・北朝鮮の核開発に対話か圧力か・唯一の被爆国として非核の誓いと安全保障」というテーマで各層の市民が本音で討論しましたが、約半数の方々が核の傘(持ち込み)または核保有に賛成でした。被爆者のかたが出席して「現地へ来て我々の話しを聞いて下さい」と悲痛な面持ちで話していましたが長崎へ行った私には身につまされるものがありました。

 オバマ大統領は「自分の生きているうちは難しい」と言っていますが、この核兵器廃絶を全世界に広げ、2010年5月のニューヨークで行われる核不拡散条約(NPT)再検討会議に1200万筆の署名を集め、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ウォーの一日も早い実現を祈ろうではありませんか。



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9条定点観測

鴨川孝司(編集長)

 総選挙の中では大きな争点にはなりませんでしたが、核密約の問題は日本の外交のあり方を根本から問う内容を持っていました。このことについて、要点のみ定点観測として残しておきます。

 09年6月29日毎日新聞朝刊などで、87年7月に外務事務次官に就いた村田良平氏(79)が、1960年の日米安全保障条約改定時に核兵器搭載艦船の寄港などを日本側が認めた密約について、「前任次官から文書で引き継ぎを受けていた」ことを初めて明らかにしました。

 この密約については、81年5月、毎日新聞がライシャワー元駐日大使の「核持ち込み」証言を報じて発覚、日本政府は「米側から事前協議がない以上、核持ち込みはなかったと考え、改めて照会はしない」と密約の存在を否定し続け、核密約の本体は、1990年代末に米公文書館で解禁され、日本共産党の不破哲三委員長(当時)が2000年、国会の党首討論で小渕恵三、森喜朗首相(同)を合計4回にわたって追及してきたものです。

 6月10日の衆議院の特別委員会で中曽根外務大臣は、「日米間には核持ち込みを巡る密約自体存在しない」というこれまでの見解を繰り返しました。村田氏はこうした日本政府の対応について「詭弁(きべん)だ。いつまで続けるのか、ぶぜんとした気持ちだ」と批判しています。

 その後もこの問題は解明が進められ、総選挙の結果を見て外務省も「指示があるなら必要な対応も」というようにはなりました。

盛り上がる国民平和行進と原水爆禁止2009年世界大会

 「核兵器のない平和で公正な世界を」…。人類共通のこの願いを実現するために、8月3日から9日まで、二つの被爆都市、広島と長崎で原水爆禁止2009年世界大会が開催されました。その前段で、全国のコースで平和行進が行われ、今年はオバマ大統領の核廃絶を目指す演説もあって、各地で行進は大きな盛上がりを見せました。

 世界大会の国際会議宣言では「我々は、核兵器のない世界へと新たな歴史のページを開くため、地球規模で連帯し行動するよう、すべての人びとによびかける。さらに行動を強めよう。核兵器のない世界は、その実現そのものを共通の目標とし、法的な枠組みに合意し、誠実に実行してこそ達成できる。そのために我々は、アメリカをはじめすべての核兵器保有国が核兵器廃絶の「明確な約束」を実行し、来年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が、核兵器全面禁止・廃絶条約のすみやかな締結に向け、具体的な一歩を踏みだすよう強く要求する」と訴えました。

 反核平和運動の国際ネツトワーク「廃絶2000」は、5月2日を「核兵器のない世界のための国際行動デー」とし、「全米平和正義連合とともに、ニューヨークでの大行動と、核兵器廃絶を求める署名の共同提出を呼びかけた。これを世界の草の根から発展させる」と呼びかけました。

 この呼びかけに応えた草の根からの創意ある運動こそ、世界の平和を発展させ、9条を守る運動の新たな広がりを作るものとなるでしょう。



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短信

●ピースランナーの馬籠正雄さんが第8回スケッチ展
 「核廃絶、平和憲法を守ろう」と、第2の原爆投下予定地「小倉」を出発し、国東半島〜日向灘〜日南海岸〜都井岬〜最南端の佐多岬」までの662.6Hを走って描いたスケッチです。日南海岸はあまりの天候の悪さに通行もできず車のお世話になり、期待していた風光明媚なスケッチを描けませんでしたが、しかし、「日南市飫肥町(オビチョウ)」では、千枚田も描くことが出来ました。「都井岬」では朝生まれた子馬さんにもお会いしました。つたないスケッチですが、お友達とお誘い合っておいで下さい。お侍ちしています。(馬篭)
日 時:9月10日(木)〜19日(土)午前9時30分より。日曜は休み
●ユーラシア名画シリーズ 第57回上映会 バレエ「白鳥の湖」

 バレエ音楽作曲家の最高峰チャイコフスキーの作品の中でも「白鳥の湖」は一歩抜きん出て一世紀余、古典バレエの世界最高の地位を占め続けて燦然と輝く名作をDVD版で上映。
日時 9月13日(日)午後1時30分上映開始〜4時終了
会場 ふらっと
お問い合せ 04-2939-7630 坪井

●守ろう・生かそう・憲法「九条美術展」
 岡部昭さん(山口在・彫金家・会員)ら著名な芸術家の呼びかけで九条美術展が開催されます。藤原秀法さん(彫刻家・会員)も出品されます。

●岡部昭彫金展
日 時 10月4日(日)〜28日 午前10時〜5時30分 初日は午後2時から 休館日は木曜日
場 所 長野県・木島平村内・みゆき野アート村 岩上隆静館(上木島郵便局手前、森酒店横 電話0269-82-3105)

●所沢演劇をみる会 71回観劇会「修学旅行」
 「修学旅行」の舞台は沖縄の旅館の一室。そこで繰り広けられる5人の女子高生によるケンカ。そのたわいもないドタバタには誰もが経験があり、思わず笑ってしまうことだろう。しかし、その中に込められた作者のメッセージとは…。
日 時 10月15日(木)18:30開演
場 所 マーキーホール
入会金 1000円、会費(月)2000円
問合せ 所沢演劇をみる会 電話04-2924-1099

●「9条の会ところざわ」結成5周年記念集会
 9条のグローバルな意義
講 師 ジャン・ユンカーマン
日 時 10月17日(土)午後1時30分開場
場 所 小手指公民館分館ホール(小手指駅南口歩5分)
入場無料

●あの感動をふたたび ナバサルジャンが所沢で演奏
 アルメニア出身の世界で活躍するピアニスト、スヴェトラーナ・ナバサルジャンが所沢で演奏します。
日 時 10月24日(土)開場18:45 開演19:15
場 所 市民文化センター・ミューズ
入場料 一般2800円、学生・シニア2500円(ミューズ・チケットセンターでも購入できます。)
問合せ ユーラシア協会所沢支部(坪井俊二 04-2939-7630)



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