機関紙45号 (2009年5月28日発行)new!



もくじ
鼎談 「会」結成4年目、これからの運動と展望は
   核廃絶にも明るい希望、歴史は動いている  藤原秀法さん
   若者にたどり着くよう運動することが大切  持丸邦子さん
   一人ひとりが九条を発信することが大事   佐藤事務局長
憲法記念日の社説を読んで
   「平和」「生存権」と幅広い論議目立つ
   朝日新聞
    今だからこそ「九条」を中心に据えて欲しかった
   毎日新聞
    貧困や派遣労働にも触れない低調な論調
   読売新聞
    派遣を正義と改憲迫る 権力監視の責務を放棄
   日経新聞
    解釈論の拡大で空洞化狙う大企業の代弁者
   産経新聞
    憲法審査会の始動を煽り、議員定数にも言及
   東京新聞
    現実の前に憲法の規範性の危機に警鐘鳴らす
   しんぶん「赤旗」
    「9条」と「25条」の結合した闘いを提唱
1万册を超える本が中国の大学などに
   ご協力に心より感謝申し上げます
あれこれ(19)
   蕾という字は
      増岡敏和 (詩人)
いま、私は言いたい
   ネットはメディアの主流になるのか
    塩川民子(下富在住)
   平和でなければ人間の幸せはありません
    山崎秀子(北秋津在住)
鈴木彰の「支持率はどうあがいてもフェーズ6」
鴨川編集長の九条定点観測
   ●ソマリアヘ今度はP3C 矢継ぎ早の派遣の狙うもの
   ●ジブチの主権侵害 危険な一歩
   ●うごめく憲法審査会 与党、開催急ぐ
短信
  ■九条の会講演会
  ■米国は「チェンジ」、日本は9条 マスコミ九条の会 6月6日・共同討論
  ■映画「三池」の上映 熊谷博子監督と観る会
  ■第47回所沢母親大会




鼎談 「会」結成4年目、これからの運動と展望は

核廃絶にも明るい希望、歴史は動いている  藤原秀法さん

若者にたどり着くよう運動することが大切  持丸邦子さん

一人ひとりが九条を発信することが大事   佐藤事務局長

 「マスコミ・文化九条の会所沢」が結成して4周年。「会」は来月6月27日の総会を目指して準備を進めています。これからの運動と展望について藤原秀法さん(彫刻家・山口在住)、持丸邦子さん(大学教員・山口在住)と佐藤俊広事務局長3人に語ってもらいました。

これからの情勢の展開をどう見ていますか

佐藤 9条をめぐって油断が出来ない状況があります。憲法審査会が来年5月には施行され、改憲の発議が出来るようになります。改憲手続きが動いていないではないかという論調もあり、法務省が手続き法のパンフレットを500万部作って改憲を盛り上げようとしているなど、だんだんと改憲をするんだという雰囲気が作られています。

藤原 情勢を見ていると改憲しようとしている連中は一枚岩ではないでしょう。手強くはないような気がします。オバマ米大統領が核廃絶を提起し、それに同調する動きが各国に出てきたでしょう。その中で、核廃絶と戦争しないということは一緒だから、戦争はしないということを宣伝すれば多くの人が賛成してくれるという、今までにない情勢もあるような気がします。オバマの声明に志位共産党委員長が手紙を送って、返事が来るという新しい情勢があります。

持丸 私は藤原先生ほど楽観的ではないのですよ。何かあったらくるっと変わるんじゃないかと…。北朝鮮のことや、ソマリアに陸上自衛隊までが行くようになって、既成事実がどんどん作られて。変な人が出てくると変わっちゃう危険性もあると思います。絶対に変にならないように万全の取り組みをしておかないと安心できないという感じです。民主党の鳩山さん、あの人は憲法をどう思いますかと聞かれたときは、自衛隊を海外に出すと言うことは駄目といっていたが、民主党の若い人たちは怖い気がする。

佐藤 その鳩山さんは憲法を変えてもいいと言って、新憲法制定議員同盟の顧問をやっています。中曽根氏が会長です。だから一方で危険だなと思っています。今度の選挙がどういう結果になるかで違いますが、油断出来ません。憲法を巡る世論調査でも、最近は憲法を変えてもよいという人が半分を超えた調査もあります。九条を変えることには圧倒的に反対ですが。

藤原 どういうことがそうさせていると思ってますか。

佐藤 やはり北朝鮮問題、それに海賊退治で自衛隊が出ていくのはしようがないという動きが作られています。

どんな活動が大事ですか

藤原 識者がここに問題があるんだということ判りやすく提示することが大事ではないか。

佐藤 9の日宣伝行動で、ポイントなるところをビラにしたりしているんです。結構受け取ってくれて、読まれているという感じはあるんです。ビラに「基地ウォッチング」のこと書いていたら、それを見て参加した人が3人もでて来ました。

持丸 そういう意味では裁判員制度の問題なども、やりたくないのにやらされる、国民がやりたくないのに抵抗できなくなるような雰囲気に持って行かれる。それが怖いなと思うのです。東京都が今ひどい状況で、意見を言えば定年前だった先生の定年延長はなかったということがありました。それもチェックに何回も来て、何をやってもしようがないやという気持ちが先生達の間に広がってしまうと無気力になってしまいます。

佐藤 若い人たちは憲法を護れと言うのをどんな風に受け止めているのでしょう。

持丸 学校では、憲法というのは経営理念だから守らなければいけない。憲法は国の理念だから政治家も守らなければいけないんだよと話しをして、前文を書かせるんですよ。そうすると学生からこれは実は高校の時は全部覚えたのだけれど、今は忘れてしまいましたと。高校までは授業でちゃんとやっているのですよ。憲法を守りたいが大半ですね。

藤原 私は年賀状に川柳を書いています。毎年読んでくれている人は判ってくれます。友人に警察署長がいますが、一貫して九条を書いて、警察署長にも共感してもらえることが出来たと思っています。

佐藤 一人一人が九条のことを発信していかなければと言うことですかね。

藤原 小学校の時だったか、先生が「あたらしい憲法のはなし」という本を持ってきて話してくれた。これからは憲法で戦争をしないことになったのだと言われたとき嬉しかった。

佐藤 二度と戦争はしたくないと実感してそれが憲法に明記されたと思うのですが、60年経ってそろそろ憲法を変えてもいいのではというのが若い人の感覚にあるようです。

持丸 若い人にとって戦争はずっと昔の話になっています。この間の授業で、8月15日ってなんだか知ってると聞いたら、みんな答えられないんですよ。5年前のバブルのことだって忘れているんですから。1945年の敗戦なんて言ったら昔の話です。

佐藤 戦争というものが実感として考えにくくなっていて、イラクとかアフガニスタンとかあるのだけれど、ミサイルも発射されて日本を守らなければいけないんじゃないかと言うマスコミに流されてしまう。

持丸 ただ、一方で若い子が何も見てない。ニュースも聞いてない。見ているのはインターネットの見出しだけ。オバマが当選したことも知らないと言いました。変な報道も耳に入ってないという面もあります。教育は大事です。

会としてどんなことをやりたい

藤原 いろんな分野ごとに集まって相談したら、もっと広がるかも。「美術9条の会」は大きな美術展をやろうとしている。昨年やった文化展、みんな協力してくれました。

持丸 夏に戦争展をやるのですけれど、そこには被爆、東京大空襲、学童疎開された方が参加される。今年は最後になるだろうなという意見もあります。忙しいのです。今、こういう運動をしているのは子供連れのお母さん。なかなか大変です。そういう若い人たちを引きつけるものがあったらいいかもしれない。子守つきで。

佐藤 若い人と一緒にやれるようにするためにはどうすればいいかが大きなテーマですね。

持丸 若者は忙しい。遊びには行くんですけれどね。でもこういうことに関心のある人もいるはず、そこにたどり着くようにすることが大事と思うのです。



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憲法記念日の社説を読んで

「平和」「生存権」と幅広い論議目立つ

 会報で07年から憲法記念日の社説・主張を検証し出して今年で3回になります。3年の経過は各紙の傾向がますますはっきりしてきました。2年前は憲法施行60年、各社とも憲法に関連する記事に大きく頁を割いて報道しました。朝日は「9条は堅持、今の自衛隊法とは別に基本法を」と護憲の立場を初めて明確にし、読売は安倍元首相が強引に進めた国民投票法を進めるべきだとの改憲を主張しました。毎日は日米同盟の強化のもとで国連中心主義を強調。日経は「還暦の憲法を時代の変化に」として改憲。東京新聞は「イラク戦争は間違いだらけ、9条が国民の支持を得ていく」と指摘。赤旗は憲法を護る。朝日、東京、赤旗は憲法を護って行く立場を、毎日は中間的立場、読売、日経、は改憲の立場を示していました。

 麻生内閣のもとでの09年の社説は各社の流れは変わらないが、苛立つ改憲派の論調は従来の主張をより強固に強調しています。また、世界金融・経済危機の進行する中で格差と貧困が新たに大きく取りあげられ、憲法25条の「社会的生存権」の危機を訴え、平和から生存権と幅広い論議が目立つのが今年の特徴です。社説を比較して気づいたのは、文章の長短の違いです。朝日の2210字に対して、一番短い日経はわずか770字です。各社の憲法に対する認識の度合いを計るものさしになります。ちなみに、全国で「改憲急げ」の社説を掲げたのは、読売、産経、北国(金沢)、日経の4紙で合計1450万部。日刊紙の総発行部数の31%になります。

朝日新聞 今だからこそ「九条」を中心に据えて欲しかった

 「憲法記念日に貧困、人権、平和を考える」と題して、世界的経済不況の嵐のもとでの「年越し派遣村」から説き起こす。派遣切りは憲法が保障する労働権、生活基本権の侵害であり、教育、医療などをみても「明日の生活を脅かされる」日本の現状は「貧困」に他ならないと論じる。かつての日本にもっとひどい「貧困」があったと戦前の状況を振り返り、その結果、誕生したのが日本国憲法だと展開する。

 そして、憲法の描く見取り図は明確であり、この困難な時期だからこそ、憲法25条と「前文」に改めて正面から向き合う時ではないかと説き、「日本と世界の大転換期に誕生した憲法はよりどころとなる」と結んでいる。一面、社会面で「九条」を取り上げているが、ソマリア沖への海自派遣、一年後にせまった「国民投票法」の施行という時だけに、争点の「憲法九条」を中心に据えてほしかったとの思いが強い。(間島)

毎日新聞 貧困や派遣労働にも触れない低調な論調

 冒頭、駐日大使に「日米安保再定義」を行ったナイ氏が任命されることを紹介、この再定義が、日本の対米協力を加速し、イラクヘの自衛隊派遣に至る端緒になり、「集団的自衛権」行使の是非もここから始まったとのべている。「集団的自衛権」行使が憲法問題の最大の争点だとのべる一方、世界同時不況で国民の暮らしが脅かされ「憲法どころではない」状況にあり、憲法審査会も議論を行わず政界も関心が薄いと指摘。

 世界的なパワーシフトの中で従来の日本の安全保障政策を再考する必要があり、米国で「G2」論が台頭し、アジアで日本から中国に優先順位が変わろうとしていると指摘。日本はどうしていくのか、自分の頭で考え国民合意を形成する必要があり、ソフトパワーを重要視すべきだと結論。

 日米同盟など従来の枠組みを前提にした議論に終始し、憲法9条を生かした平和外交戦略を描けず、25条と対比して絶対的貧困や派遣労働に斬りこまない、低調な論調だ。(佐藤)

読売新聞 派遣を正義と改憲迫る 権力監視の責務を放棄

 「審査会を早期に始動させよ」というのが読売の主張である。「2年前、憲法改正の手続きを決めた国民投票法が成立した。国民の手で憲法を改正するための画期的な法律である」と強引な国会運営とその後の参院選挙での自民党の大敗、安倍元首相の政権投げ出し等は素知らぬ顔である。

 そして、その出現したいわゆる「ねじれ現象」を不毛なものととらえ、衆参両院の機能の見直しも改憲の課題とし、集団的自衛権の「保留はするが、行使は出来ない」とする政府解釈は「自衛隊の実効的な活動を妨げている」と見直しを迫っている。

 読売新聞は3年前から改憲の立場に立っているが、憲法に違反していようが海上自衛隊のソマリア沖派遣も実力突破してしまえばそれが正義で、さらに改憲を迫るという論調を繰り広げるに至っては権力を監視し、民意を重んじる姿勢など微塵も感じられない。(鴨川)

日経新聞 解釈論の拡大で空洞化狙う大企業の代弁者

 社説のタイトルは、「日本国憲法を今日的視点で読み返そう。」冒頭から、「現在の国際社会での日本の立場と憲法の関係に焦点を当てる」として、「集団自衛権をめぐる憲法解釈を見直し、そのうえで自衛隊の国際協力活動を包括的に規定した一般法の制定が要る」と主張する。

 具体的には、いまソマリア沖で海上自衛隊が自衛隊法82条(海上警備行動命令)にもとづき、「海賊の取り締まり」の名目で活動しているが、時限立法であることが問題であり、より権限の強い一般法の海賊対処法(案)を求める。「インド洋での自衛隊の補給支援法をめぐり、民主党は憲法違反として反対したが、この法案ではそれを主張しない」と説明し、法案の早期成立を促す。

 集団自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を「非現実的な制約」として見直し、「国際社会の安定のために日本が能力の範囲内で活動できる場を広げ」、「PKOなどの国連ミッションに参加する自衛官は39人、世界で80位という主要国のなかで最低の数字は、経済力では世界で2位を自負する国にとってはあまりに不釣り合いであり、返上を急ぎたい」と結論する。

 「改憲反対」の世論の高まりに押されて低調ではあるが、解釈論の拡大による憲法の空洞化の狙いと改憲派の野望がはっきりと読み取れる。「秋までには衆院選挙がある。その結果、政権が決まる。憲法にせよ、安全保障にせよ、最も重要な国政上の論点である」社説文末のこの部分だけは容認できる。

 選挙では私たちの賢明な判断を示そうではないか。その為に今ひとたび、世界に誇る「日本国憲法を今日的視点で読み返そう」(岡本)

産経新聞 憲法審査会の始動を煽り、議員定数にも言及

 「脅威増大を見過ごすな一9条改正し国の安全を守れ」のタイトルのもと、「北朝鮮の中距離ミサイルが多数飛来した場合は国の守りは限界」、だから、自衛隊を軍隊にし、国家の防衛を抑制してきた憲法9条を見直せという。

 さらに、ソマリア沖の海賊対処法案に対しても、「海賊船を追い払う警察権の行使でしかなく、これでは脅威を排除できない。国際社会の共同行動に参加できない日本でよいのか」と問い、国民の生命と安全を守るために憲法9条は不要と高飛車に強調している。

 そして、日米の共同防衛の実効性を高めるよう示唆し、集団自衛権が行使できるよう、麻生首相に解釈見直しを迫っている。

 結論は「憲法改正のための国民投票法に基づき、一昨年8月に両院に設置された憲法審査会が野党のサボタージュで始動できていない。常設機関の活動を阻止するような無法状態を許すな」と、早期の憲法改正を煽る論調である。

 自民党の新憲法草案の見直しにも言及し、二院制の廃止、国会議員定数の3割減など統治のありようなどへも踏み込んでいる。

 改憲派メディアの焦りと悲鳴が行間から漏れ聞こえてくる主張(社説)である。(葛西)

東京新聞 現実の前に憲法の規範性の危機に警鐘鳴らす

 東京新聞は、「忘れたくないもの」と題した、昨年同様に大型一本の社説を掲載した。昨年は憲法と現実との関係に厳しく目を光らせ「なぜ?」そうなのかを問い続けたいと指摘したが、今年も憲法と現実の乖離(かいり)に鋭く切り込んでいる。突然の「年越し派遣村」の実現で、この国で起きていることが誰の目にも見える形になり、“一億総中流”に幻惑されていた日本人が忘れかけていたものを思い出させたと指摘する。それは、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とする憲法第25条第1項と社会保障、福祉の向上、増進を命じた第2項は改憲論者からは押し付けと攻撃されるが、衆院の審議で追加された自前の条項であるという。

 さらに第13条の「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については(中略)国政の上で、最大の尊重を必要とする」について、現実は社会の階層化が急激に進むなかで、この憲法の核心が「忘れられよう」としているが、「忘れてはならない」と強調。第13条、第25条の再確認が必要と指摘している。ソマリア沖へ自衛艦が堂々展開し、自衛隊の海外派遣を恒久化する動きも急だが、国会外ではあまり議論も起きず、現実を前にして憲法の規範性が危うくなっている、と警鐘を鳴らし、「自民党を中心に幻想のような改憲論が沈静化したいまこそ、憲法に適合した政治、行政の実現を目指したい」と述べ、それには、国民の一人ひとりが「忘れたくないもの」を社会の現実に流されずに自覚する必要があると結んでいる。日本国憲法が素晴らしい内容を持つことを再認識させられた社説であった。護憲の堅固な姿勢は変わらない。(葛西)

しんぶん「赤旗」 「9条」と「25条」の結合した闘いを提唱

 新聞「赤旗」は、改憲派の動向を詳しく報じるばかりでなく、広告収入に依拠しない唯一のメディアということで、この欄で毎年、憲法記念日の「主張」を取り上げてきた。

 「守り生かしぬく決意新たに」とした、「主張」は、ここ数年の憲法9条を中心とした「明文改憲」の策動は、国民の反対運動(9条の会など)で大きく後退し、麻生内閣も公然と言い出せない情況だが、自民党が改憲手続き法にもとづく衆院憲法審査会の規程案を持ち出し、強行しようとしたことでも改憲勢力があきらめていない証左と述べ、名古屋高裁のイラクでの航空自衛隊の活動を「違憲」と断じたもとでも、ソマリア沖など“すきあらば”と狙ってくる海外派兵の策動をやめさせることが不可欠という。

 さらに、戦争を放棄した9条と平和的生存権の規定を結合したたたかいが必要であるとともに、深刻な金融・経済危機の中で、基本的人権を保障した11条や14条が定める法の下の平等、25条の生存権、27条の団結権などを守り生かしていくことがますます重要になると指摘している。

 憲法が施行されて60年以上日本が戦争に巻き込まれることなく、平和であったのは国民の不断の努力の結果。これからも憲法を守り生かす、国民の自覚と責任が大切と主張する。(葛西)



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1万册を超える本が中国の大学などに

ご協力に心から感謝申し上げます

 昨年5月から活動を始めた「中国社会科学院に本を送る会」の不用本回収の事業を、今年3月末日をもっていったん終了とさせていただきました。

 この間、たくさんの皆様のご協力で、約200箱(1万冊以上)の本を回収することが出来ました。最終回の回収分(66箱)を除いて、7704冊が中国社会科学院をはじめ、黒龍江大学、黒龍江東方学院、遼寧師範大学、上海海事大学、精華大学、大連外国語学院、大連海事大学、大連理工大学、南京大学、寧波大学など計18大学に送られることが確定しています。

 皆様からご提供いただいた本は、日本科学協会でタイトル等のリスト化をしてから中国社会科学院や大学に照会され、受け入れ先が確定してから輸出されるという仕組みです。最終回分66箱(約2500冊)は、現在日本科学協会でリスト化の作業が行われており、受け入れ確定・輸出までにはもうしばらく時間かかかるとのことです。

 皆様からのご協力を得た今回の事業が、日本語を学びたい、日本をもっと知りたいと願う中国の学生・研究者の願いに沿うものであり、民間での日中文化交流の一端を担うものにもなったのではないかと思っています。
 ご協力、本当にありがとうございました。



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あれこれ(19)

蕾という字は

 先月に続いてもう一つ、草冠の私の好きな漢字をとりあげてみよう。この詩も3年前の春先に書いたものである。この作品の思いも先号の「華となるものの安らぎを立て〜いのち盛んなよろしさ」を、もう一歩進める思いで書いたものである。花の蕾は最もやさしい風物の一つであるが、その腹の中には「雷」をしっかり包んでいる。そのすごさを先人はそっとか激しくか後生に伝える思いを、私は私なりにこの詩で考えた。


蕾という字は
草を被った雷(いかずち)と書く
静から動へ電光石火きらめく
やさしい いのちである
いまその一つ一つが傾いて薫る
薔薇の鉢を陽の中に置き換えて
爆発を私は待っている



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いま、私は言いたい

ネットはメディアの主流になるのか

塩川民子(下富在住)

 中学生の娘たちがPCの前から離れない。「不健康」「ネットおたく」「ネットいじめ」さまざまなネガティブイメージに、母の眉間にはしわが寄りっぱなしである。

 けれど、あの熱中ぶりに非難を浴びせ続けるだけでは、溝は広がるばかり。その世界の共有に努力を開始した。

 「ニコニコ動画」「you tube」そこは、世界中の顔のない青年のクリエイティブワールドだ。バーチャルな美少女に、作曲した歌を歌わせる「初音ミク」。創作動画もプラスして投稿し、ネット利用者たちから評価を受ける。ニコ動はただちに反響が画面に流れる仕組みで、生な反応ほしさにプロが匿名投稿したりもする。ここでの評価を土台に、メジャーな世界に飛び立っていくものもある。TV、新聞などスポンサーがかりのマスメディアに染みついてしまったイメージとかけ離れた、個人発信の自由さがある。

 「ヘタリア」は、世界各国の擬人化マンガで、当初日独伊3国が軍服を着て登場し、危険な臭いを発散させていたが、ネット上で多くの愛好家にいじられている内に、現在1番人気は「中国」になっている。

 けしてけして、手放しで礼賛できる世界ではない。けれど課題克服を前提として、こちらが明日のメディアの主流となることは間違いなさそうだ。


平和でなければ人間の幸せはありません

山崎秀子(北秋津在住)

 私は昭和2年の生まれなので物心つく頃から満州事変(1931年)がはじまり敗戦の日まで日本は戦争に明け暮れていました。軍人が幅をきかせ、何も知らない子供たちは「兵隊さんのおかげです」と歌っていました。

 平和でなければ人間の幸せはありません。年ともに戦争の傷手は国民を苦しめ、でたらめな大本営発表のかげで多くの兵士が命を落としました。

 私も敗戦まぢかの4月25日に低空飛行のB29に狙われて二子玉川の河原を逃げまどって恐い思いをしました。友人は防空壕に直撃弾が落ち死に、そばに飛ばされたメガネが形見となりました。戦争が終わってほっとしました。

 九条のおかげで今日まで平和に暮らせたことを有難く思っています。しかし、近頃きな臭い発言を堂々と吐く元自衛隊幹部やそれに迎合するような記事を載せるマスコミに腹が立ちます。この年齢になって「またか」と思うと、ぞっとしています。だからこそ「九条を守る会」の支援を広げ発展させていかなければと思っています。

 私は歳をとり体調も悪く、なにもお手伝いできず申し訳なく思っています。皆さんのご活躍に「ありがとう」です。



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鈴木彰の「支持率はどうあがいてもフェーズ6」



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鴨川編集長の九条定点観測

●ソマリアヘ今度はP3C 矢継ぎ早の派遣の狙うもの

 3月発行の会報の「9条定点観測」ソマリア沖の海賊退治に桃太郎ならぬ海上自衛隊の護衛艦2隻が派遣されることになった」と書いたが、それから2ヵ月も経たない5月15日、浜田靖一防衛相は今度は海自のP3C対潜哨戒機部隊を派遣する命令をだしました。派遣に向け、部隊の先遣隊34人が18日、民間機で成田空港から現地に出発しました。

 34人は海自と陸上自衛隊の隊員。本隊到着までの間、拠点となるジブチ国際空港で受け入れ準備などに当たるとされています。P3C2機は下旬に出発し、6月上旬から活動する予定とされていますが、とりあえずは現行自衛隊法の海上警備行動として活動し、武器使用の権限を拡大する「海賊対処」派兵新法案の成立後は同法にもとづく活動を実施使用としています。

 矢継ぎ早の自衛隊の海外派遣で、憲法9条をなし崩しにする恒久派兵の地ならしです、、しかも今度は対潜爆弾をもつP3Cが自衛艦と合流し、「海賊対処」の海上作戦に参加すれば武力行使の危険をいっそう大きくさせることになりかねません。

●ジブチの主権侵害 危険な一歩

 さらに見逃せない問題は中曽根弘文外務大臣と訪日中のマハムッド・アリ・ユスフ ジブチ共和国外務・国際協力大臣との間で結ばれた「ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の交換公文」の中味です。

 この地位協定は「要員は日本の法律によって律せられる」とあり、日本に駐留する在日米軍が公務中に日本国民に犯した犯罪について、すべてアメリカが第一次裁判権を握るとした屈辱的な米軍地位協定と同様な内容です。

 これはジブチの主権に対する乱暴な侵害であり、他国への侵略となる危険を含む新たな問題への一歩であるといえます。

●うごめく憲法審査会 与党、開催急ぐ

 自民、公明両党が衆院で憲法改正の前提となる憲法審査会の開催を急ぎ始めました。前回の参院選で自民党が大敗し、憲法審査会は機能停止状態が長く続いていましたが、与党は「憲法審査会規程」を定め、陣容を整える方針。

 4月21日、自民、公明の与党と民主党衆議院議院運営委員会で憲法審査会の規定の制定をめぐって28日に前衆院憲法調査会長代理の枝野幸雄議員(民主)を参考人として意見聴取することを決めました。

 民主党ははこれまでは強行して成立させた改憲手続き法の経緯もあり憲法審査会規定の制定を正式の議題となることに反対してきましたが一転、出席すると受け入れたことは新たな動きで、緊迫した状況を迎えてきています。
(編集長 鴨川孝司)



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短信

■九条の会講演会
 講演 井上ひさし(作家)、大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、澤地久枝(作家)のほか、加藤さんのパートナーの矢島翠さんも出席されます。
日 時:6月2日(火)開場5時30分、開会6時30分
場 所:日比谷公会堂(千代田区日比谷公園内)
※参加券は完売


■米国は「チェンジ」、日本は9条 マスコミ九条の会 6月6日・共同討論
 壊滅的な経済危機のなか、オバマ政権は動き始めた。混迷を深めつつも、世界は変わろうとしている。しかし、この日本をどこから変えるのか、9条の理念、精神を、どう現実に生かしていくのか。
 外岡秀俊さん(朝日新聞編集委員・香港駐在)、前田哲男さん(軍事問題評論家・沖縄大学客員教授)、浅尾大輔さん(作家・雑誌「ロスジェネ」編集長)の各氏が、桂敬一さん(元東大教授)のコーディネーターで徹底討論されます。
日 時:6月6日(土)開場13時、開演13時30分
場 所:全水道会館4F(JR水道橋駅歩5分、都立工芸高隣り)
会 費:1000円、学生800円
主 催:「マスコミ九条の会」03-3291-6475


■映画「三池」の上映 熊谷博子監督と観る会
日 時:6月13日(土)10時開場 10時30分開会(この回はまだ席があります。)
            13時開場 13時30分開会(満席)
場 所:中央公民館ホール(旧生涯学習センター)
参加券:大人1000円、学生800円
チケットは和田04-2924-9635、鴨川04-2998-7424、鎌田04-2924-9155まで


■第47回所沢母親大会
 80歳を超えた今もなお講演会に創作にと精力的に活動を続ける宮川ひろさん(児童作家)を迎えて母親大会が開かれます。
日 時:6月21日(日)午前10時15分受付 午前 記念講演(平和の尊さを語る)講師 宮川ひろさん 午後 子育て・教育、社会保障・福祉、平和をテーマに分科会
主 催:第47回所沢母親大会実行委員会
連絡先:04-2996-3595 新日本婦人の会
後 援:所沢市教育委員会(講演会のみ)



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