機関紙43-2号 (2009年3月23日発行)



もくじ
連続講座 今、学ぶ「日本国憲法」への思い
 「市民が憲法と向かい合ったのは初めてのこと」4月からの連続講座講師、山田敬男さんが語る
見て、聴いた。身近な軍事基地の存在
 金網の無い米軍通信基地
 重要度増す入間基地
鴨川編集長の九条定点観測
 ●ソマリア沖の海賊退治に桃太郎ならぬ海上自衛隊が
 ●アメリカに顔を向け、国民には背を
いま、私は言いたい
 恐ろしい世の中 (岡部 昭 山口在住・彫金家)
垂直・考
 鈴木太郎(詩人・中新井在住)
じいさんの釣り見物
 津森太郎(詩人・山口在住)
市内の「九条の会」が親睦交流会
短 信
 ■第55回ユーラシア名画シリーズ「石の花」
 ■違憲判決1周年の記念講演



連続講座 今、学ぶ「日本国憲法」への思い

「市民が憲法と向かい合ったのは初めてのこと」4月からの連続講座講師、山田敬男さんが語る

 4月に始まる連続講座「今、学ぶ『日本国憲法』」の講師、山田敬男さん(労働者教育協会会長・「歴史評論」元編集長)をお訪ねして、最近の情勢などについてお聞きしました。

Q:所沢は初めてではないと伺いましたが

A:終戦から50年目をテーマにした小手指公民館での講座が初めてでしたので、1995年だったでしょうか。その後も日本近代史の講座では、所沢に出向いています。

A:状況が変わっていると思います。07年の参議院選挙で政府与党が敗退をした。あれを契機に明文改憲は頓挫し、新しい形で解釈改憲の方向に行かざるを得なくなりました。

 改憲派には、二つの大きな壁があります。一つは世論調査で読売と朝日の調査。読売の場合は15年ぶりに改憲反対が賛成を上回りました。15年前、1983年の湾岸戦争直後に賛成が上回り、それが、今度ひっくり返っているのです。九条守れ・改憲反対が賛成に2倍の差を付けています。朝日では反対が賛成の3倍も多いことが分かりました。このように世論の大きな変化があります。

 もう一つは名古屋高裁の判決です。判決文でイラクの航空白衛隊の活動は憲法九条に違反するとはっきりした判断を示し、さらに基本的生存権に関しても抽象的な規範ではなく、平和に生きる権利を明白にしました。この二つが改憲派の大きな壁になっています。

 ですから外堀を埋めるために今度はソマリア沖に海上自衛艦を出し、着々と既成事実を重ねているのです。危険なのは来年5月に国民投票法の凍結が解除されますので、これからも大きな改憲の動きが出てくることが予想されます。

Q:オバマさんが登場して10万の米兵をイラクから撤退させると公約しています。新自由主義経済の見直しなど変革の兆しが見えるのに、落差は大きいのですが田母神さんをどう見るかですが。

A:彼は特殊な人間ではなく、これからも第二、第三の田母神が出てきます。5年間、統合幕僚学校の校長を務め、彼は国家歴史観という講座を作りました。5年間で400人を卒業(幹部候衛生)させています。

 専守防衛を否定して集団自衛権の行使を是とする。そのために日本の過去の戦争を肯定しています。海外に出る自衛隊員が贖罪意識を持っていたら何にもできない。この贖罪意識を払拭した幹部を作ることが必要だとの認識で講座が作られました。その裏には自衛隊の変貌があります。完全に海外派兵型に転換されました。04年の防衛大綱に、これからの自衛隊の任務はテロや大量破壊兵器に対応するのだと明確に書き込まれているのですが、これをうけて06年に自衛隊法が変えられ、派遣が付随的な任務から本来的な任務となり、防衛庁から防衛省に格上げされました。

Q:いま、与党の悪評で改憲の動きは沈静化しています。九条を守りきった先に、いったい何があるのでしょう?

A:「九条の会」はすごい意味を持っています。それは戦後の歴史の中で市民が憲法と初めて向かい合ったことです。九条を守るために平和戦路をもっと大事にして、この九条でどういう日本を作るのかという積極的な運動がいま問われています。

 そして日本とアジアの関係をどうするのか。アジアの共同体運動への積極的な取り組みが必要と思います。東南アジア友好協力条約(TAC)は、アジアの紛争は武力ではなく外交的に解決することを目的としてベトナム戦争が終結する前年(76年)に結ばれましたが、この条約がこれから重要になります。

 ASEANにベトナムが加入することによってカンボジア問題も平和的に解決できました。ベトナムの悲劇を繰り返さないために、日本は九条を守ってそこに参加することが問われています。

 もっとアジアの中での日本の安全を考える必要があります。もう、日本対北朝鮮、日本対中国といった、冷戦的な思考を克服するときです。連続講座に期待して下さい。

何が歴史を動かすのか「戦後日本史」

山田敬男著

 講師の山田敬男さんが「戦後日本史 時代をラディカルにとらえる」を学習の友社(定価2520円)から上梓しました。

 本書は戦後の日本の歴史をまとめたもの。現在は戦後の60年の歴史の延長上に存在している。だから、現在を理解するには、戦後の歴史を学ばなければならない。戦後は終わっていないと著者は言う。

 日本の戦争責任や対米従属の問題が依然として未解決であることからも明らかであると、自衛隊の海外派遣、政権交代、底なしの不況、派遣村、改憲論議が歴史の延長上にあるのだと著者は指摘しています。

 第二次世界大戦と日本の戦争・敗戦と戦後改革・日米安保体制の成立・高度成長と複合的現代社会の成立・歴史の逆流と「戦後政治の総決算」・「米ソ対決構造」の崩壊と自衛隊の海外派遣・戦後史における現段階の7章からなり、21世紀の世界と日本を考えるために、必読の一冊です。


もくじへ


見て、聴いた。身近な軍事基地の存在

 「身近な基地ウォッチング」のバスは3月14日、所沢航空公園前をスタートした。これから所沢周辺の4つの基地を見学する。それぞれの基地に詳しい4人のガイドの説明を受ける学習会でもある。

 最初にバスはいまだ返還さていない地元・所沢米軍通信基地、約97ヘクタール(西武ドームの約25倍)を車窓から見学。

 基地の周りには住宅が密集しているが、米軍横田基地と大和田通信所を結ぶマイクロウェーブ鉄塔が狭山丘陵を超える高さで基地の中央に立つほか、航空機通信用デスコーンアンテナが13基、LPアンテナが10基設置されている。

 ガイドの石田道男氏は「この基地から米軍の航空機に核攻撃の指令が出される」と説明するが、そんな怖い基地が居住地のすぐそばにあるとは知らなかった。

 所沢基地を南北に縦断道路の建設の予定があるが、通信業務に支障が出ると米軍は難色を示しているという。

 地上の基地は目に見えるが、上空の空は「横田エリア」と称して、民間機の通行にも支障を与える、見えない戦後占領がいまだに続いているとの解説が実行委員からあった。

金網の無い米軍通信基地

 バスは新座市の東部、米軍大和田通信基地に向う。

 所沢通信基地とは異なり、柵の無い基地だ。どこか外国のような風景たが、17万ヘクタールの土地の占領が続いている。民有地の土地代は支払われるが、所沢同様に住む家屋の高さ及び騒音に制限が設けられている。

 柵がないので自由に基地内の周辺を往来できる。「基地内で花見もやっていました」と、ガイドの笠原進新座市議の説明があった。

 基地の近代化でアンテナ類は減少したが、横田・所沢と結ぶ「緊急行動メッセージ(核指令伝達)」の通信機能は強化しているという。


 バスは南に走る。向かったのは、和光市、朝霞市、新座市にまたがるキャンプ朝霞の跡地だ。

 戦前は陸軍予科士官学校・振武台や陸軍被服本廠朝霞支部や軍需工場が数多く造られた。戦後は米軍の「キャンプドレーク」となり、騎兵第一師団が進駐した。

 76年に国有財産中央審議会は強い反対を無視し「3分割有償方式」を強引に決定し、旧軍用地に地元の多大な負担で、学校・公園・体育施設の建設を進めた。

 旧キャンプ朝霞の半分以上を自衛隊訓練施設や陸上自衛隊朝霞駐屯地が占めるほか、自衛隊官舎や米軍・極東放送FENの送信アンテナがある。自衛隊広報センターも一角を占める。

 膨大な保留地のほか、機動隊や税務大学校はあるが、返還された土地に民間の施設はない。せっかく返還されても多くは自衛隊基地に転換され、依然として基地は残るという証左である。

重要度増す入間基地

 バスは入間市と狭山市にまたがる入間航空自衛隊基地を目指して北に向かった。

 ここは、傘下に第六航空団や第七航空団(百里基地)をもつ中部航空方面隊司令部や輸送航空団入間航空隊など17個部隊があり、隊員数は3800人と航空自衛隊の基地では最大である。迎撃ミサイル・PAC3も配備され、ますます基地は強化されている。

 土曜日とあって航空機の離着陸はみられなかったが、先が霞んで見える飛行場を外から見学。ガイドの飯島さんは「北から離陸すると右旋回は横田の管制内に入り込むので、自衛隊機は常に左旋回です。その結果、所沢繁華街の上を飛ぶことで騒音被害が大きい」と説明。

 私たちが住む近くに米軍・自衛隊基地がある。横田や厚木、横須賀を含めると基地だらけと言っても過言ではない。どうすれば撤去、縮小できるのか。実行委員会は、秋に第二陣の基地ウォッチングを企画するという。


もくじへ

鴨川編集長の九条定点観測

●ソマリア沖の海賊退治に桃太郎ならぬ海上自衛隊が

 連日の新聞テレビは海賊退治に海上自衛隊が派遣されることを大々的に取り上げて報道しています。これは憲法九条をなし崩しにする極めて危険な行動です。

 政府は13日、安全保障会議を開き、ソマリア沖での海賊対策のためといって、海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の2隻を現地海域で活動するよう命じ、4月上旬には活動する見通しです。

 そもそも海上での海賊対策は海上保安庁の仕事です。それが自衛隊法の海上警備行動とし、海上自衛隊の派遣は意図的なもの。しかも近海ではなく遠くアフリカヘの派遣です。この派遣も法に基づかないもので、このための「海賊対処法案」はこれから提案されるもので、法案では武器使用が「正当防衛」と「緊急避難」から停船させる目的の「武器使用」に拡大しています。

 こうして、麻生内閣はソマリア沖の海賊なるものを大きく取り上げ、国民を桃太郎になった気分にさせ、武器使用の拡大から自衛隊の恒常的な海外派兵へと九条をなし崩しに進めています。この野望を許さない闘いが急務です。

●アメリカに顔を向け、国民には背を

米海空軍施設費も負担、海兵隊グアム移転巡り202億円

 

 話はちょっと古くなりますが、2月17日最初の訪問国が日本とのふれこみでクリントン米国務長官が来日し、アッというまに中曽根外相との日米外相会談でグアム移転を巡る協定に正式合意しました。

 沖縄の米海兵隊のグアム移転で、09年度の政府予算案に計上された日本側の経費負担346億円のうち、202億円がグアム島の米海・空軍の施設の基盤整備にあてられます。政府は日本側の負担について「海兵隊の移転に伴って必要となる司令部庁舎などの施設整備が対象」と説明していますが、部隊移転とは直接関係ない施設にまで日本側の負担が拡大することになります。

 ところで、「この協定をめぐっては、沖縄を訪れた中曽根外相に仲井真知事が『県民への丁寧な説明』を求めたが、政府は地元への説明や意見聴取の機会を設けないまま協定に署名した経緯がある。(朝日)」と報じられています。

 その後の3月7日、麻生首相は就任後初めて沖縄県を日帰りで訪問した。知事との会談や自民党の支持団体との懇談はしたが、在日米軍再編で焦点になっている米軍普天間飛行場(宜野湾市)や移設先の名護市辺野古地区の視察はしませんでした。

 こうして国民の意思を聞くこともしないで米軍再編は進められています。
(編集長 鴨川孝司)


もくじへ

いま、私は言いたい

恐ろしい世の中

岡部 昭(山口在住・彫金家)

 たまに下水の蓋を開けると、臭い匂いのヘドロが溜まっていて掃除をするが、財界も官界も、二世、三世がひしめく自民党もこのヘドロのようなものだ。

 日本郵政は陰でこそこそと銭ゲバむき出しの入札を仕組んだが、運悪くばれてしまった。この人達は多分皆エリートを歩んできた高学歴で教養豊かなはずなのに、恥も知らない鉄面皮で心を持たないロボットのような人間なのだろうか。

 キャノン会長も若い頃からの悪友とからんだ工場建設で先ず国税庁の査察を受け、これからどんなヘドロがどろどろ溢れてくるのか、考えただけでも情けない話だが、一方、派遣労働者の首切りで彼らの悲惨な実態に、国中の人達が心を揺さぶられてきたが、このニケ月間の新聞やテレビの報道で子を持つ若いお母さん達も「この子が大きくなる頃一体どうなるのでしょう」と深刻な不安の種を植え付けられてしまった。一生懸命育てて、大学まで卒業させたのに、運悪く一度派遣労働者になってしまえば、この泥濘(でいねい)から逃げられない硬直した社会をなんとかしなければとは誰しも同じ思いだと思う。

 毎年自殺者が3万人もいるこの社会に、手塩をかけた我が子を送り出さぬばならない親の気持ちは言葉では言い表せない。私は月給を一度も貰ったことも無く、若い頃は売れるような良い作品は出来るわけも無く、それでも、いろいろ夢中になって知恵を絞れば、世の中が助けてくれたお陰で二人の子供を大学まで出したが、その後、20年前のバブルが弾けてから、彫金とデザインとイラストという実戦的な特技を持つ私を生かしてくれる余裕が社会に無くなってしまった。50年前東京には私のような人が沢山いたのを思い出す。


もくじへ

垂直・考

鈴木太郎(詩人・中新井在住)

(1)
垂直に
真上から
落ちてくるものの速さと重さ
斜めに突き刺さってくる思いやり
笑いたいやつは笑っていればいいのだ

(2)
垂直に
空に向かってつきあげる
ムシロの旗でも幟でもいいのだ
もう一揆しかない
生きるなというならもっと生きてやる


もくじへ

じいさんの釣り見物

津森太郎(詩人・山口在住)

いつもの
散歩のコースをかえて
東京都下にある貯水池を
のぞいて見ることにする
じいさんの
秋の釣り見物というわけだ
すすきの穂が風にゆれている

釣り人たちに
なにが釣れているかをたずねると

八十センチと
かめ
という言葉が即座にかえってきた

八十センチは
ここでの鯉の代名詞
かめは、みんなの冗句だろう

それにしても
釣り人たちの釣竿はぴっくりともしないで
小魚のとび、はねもない
じいさんの釣り見物は、どうした

この近くには
米軍や自衛隊などの軍事基地もあるから
頭上では爆音がはじける
ごろ、ごろ、ごろ……
ときには、なにかが鋭くころがっているような昔をたてる。いやな音だ

釣り人のひとりが
苦笑いしながら
声をはりあげている

爆音に樹木も魚たちも目をまわしているよ


もくじへ

市内の「九条の会」が親睦交流会

 九条連絡会として初めての親睦交流会を2月22日(日)2時から、こぶしコーププラザで行いました。参加者は35名。各会からとこれまでに行ってきたイベントの呼びかけ人になって下さった方々、近隣9条の会の仏子9条の会からと多彩な顔ぶれとなりました。(写真は活動報告する「マスコミ・文化 九条の会 所沢」の勝木代表)

 親睦ということで少しばかりのアルコールも入って、ほとんど全員が発言することになり、核廃絶から所沢での運動の展望など大いに盛り上がりました。三ヶ島九条の会はこの日のために特別の報告書を用意し、日頃の宣伝に使う折り鶴なども配られ活動の工夫も示されました。

もくじへ

短 信

第55回ユーラシア名画シリーズ「石の花」

 冒頭から美しいシーンが展開する詩情あふれるラブストリーです。1946年カンヌ国際映画際色彩映画賞受賞。
日 時 4月26日(日)14時上映開始
場 所 男女共同参画推進センター"ふらっと〃
参加費 資料代500円
問合せ 04-2939-7630(坪井)

違憲判決1周年の記念講演

 4月27日は名古屋高裁民事3部(青山邦夫裁判長)が「航空自衛隊がイラクでの輸送活動は憲法九条1項に違反する」と画期的な違憲判決を下した日です。連絡会では判決から1周年を記念して講演会を企画しました。
 「名古屋高裁判決の意義と田母神問題(仮題)」
日 時:4月18日(土)13時30公開場、14時開演
場 所:小手指公民館分館
講 師:吉田 裕 一橋大学教授
資料代:500円


もくじへ

トップページへ