機関紙108号 (2015年3月25日発行)



もくじ

原発事故から4年を経過した福島の今
   真木實彦(福島大学名誉教授)

骨になって、やっと古里に永住、福島の苦悩は続く

危機を迎えた沖縄 安倍強権政治との闘い
   藤森 研(専修大学教授)

鈴木彰の「隠滅へ総理が『ヤジ』で指揮をとる」

太郎の部屋のほっとたいむ 29
   ブレヒトの名作「肝っ玉おっ母とその子供たち」

連載・沖縄通信
   日米政府の無法な沖縄弾圧
   原田みき子(沖縄県本部町在住)

コ一ヒーブレイク
   薬草料理
   原 緑

「NHK朝ドラだけが平和主義?」拡がる、籾弁会長N0の世論
   門目省吾(「NHKをただす所沢市民の会」)

私の川柳
   山本 映(山口在住)

BOOK REVIEW
    ●「詩集 石の言葉」
    ●「戦争は秘密から始まる」

紹 介
    「日本と原発」上映会




原発事故から4年を経過した福島の今

真木實彦(福島大学名誉教授)

着実な復興の裏側にも危険の増大がしのび寄る

 あの忌まわしい2011年3月の大震災と原発事故から早くも4年が経過した。この間、表面上は一見着実に復興している装いを呈しながら、その実、傷はより深く内攻しているのが現実だと言える。

 例えば一例を挙げると、交通路の回復にしても国道6号線や常磐自動車道で中断されていた原発近辺部分が最近華々しく開通した。しかし、その部分はバイク禁止、途中立ち止まること禁止など異常な事態が常態化している。汚染物の運搬路確保を主要目的として急がれたことは明らかだ。危険は消えていない。
 県内を危険な汚染物質が大移動する局面が始まり、今後長く続く。

 最近の事態で、今後に大きく影響すると思われる問題が次々と発生している。先ずは、中間処理施設を第一原発の敷地を取り巻く周縁部に設定し住民と土地買収交渉に入っていることだ。そもそも国は、30年後に県外に搬出すると法律で定めているが、県民でそれを信ずる者はもはや一人もいないだろう。用地交渉もまだ全く進んでいない。県内いたる所にある仮置き場に山のように堆積している汚染物質を中間処理施設に移すことだけで、危険を伴う何十年もかかる一大事業だということがようやく明らかになってきている。しかもその作業には危険が一杯だ。県民は身近にいつまでも汚染物を置くことを嫌って、中間処理施設を認めたが、そこにも難題が山積している。どちらにも地獄が待っているというのが現実なのだ。

遠い廃炉に見えない道筋

 肝心の原発本体の廃炉作業は一向に進んでいない。その前段で、たとえば汚染水処理の問題で蹟いたままだ。最近作業員が2名作業中に死亡するという事故が報道された。毎日数千人という規模の作業員を動員して何十年にもわたる廃炉作業を現実に組織し続けなければならないという厳しい事態も目の前にしている。現在の無責任極まる下請け構造・ピンハネ構造をこのままにしておけるだろうか。昨年9月には「危険手当が3000円では原発労働者は十分に集まらない」と「原発危険手当支給訴訟」が起こされた。

 浜通りに「ロボット産業を集積しよう」という声がある。夢を売って現実の厳しさを忘れさせようとするいつもの手だ。まさに原発を呼び込んだ時の手法の繰り返しである。その手に乗らず、厳しく東電と政府の『罪』を問う姿勢を堅持したいものだ。

 壊滅した原子炉の本体の実相はまだ明らかになっていない。現在でも永久に人の住めない「地域」がこの狭い日本の中に生まれているという事実だけでなく、廃炉作業にもしもの事故が起きれば東日本全体が大きなダメージを受けかねない事が福島では実感を持って受けとめられ始めている。

県内外への避難者なお12万人、仮設住まい7万人強、帰還希望者激減という厳しい現実

 一方、県民生活を見ると、現在でも県内外へ避難を続けている県民は12万人にのぼる。仮設住まいが7万人強。「仮設住宅」とは土台を造れない「ブロックの上に置かれたプレハブ」だということをご存じ無い方も多い。被害者のためのわずか4,890戸の復興公営住宅ですら、完成は260戸余りに過ぎない。これが今の福島の現実なのである。

 朝日新聞と福島放送による最近の世論調査によると、放射性物質に「不安」を感じる県民は73%にのぼり、避難者の中で元のような暮らしが出来るようになるのは今から「20年より先」との答えが61%となっている。また、復興庁の調査によると周辺4町(浪江、双葉、大熊、富岡)の調査で帰還希望世帯はわずか1〜2割にすぎなくなっている。

 今回の事故は単に「福島の事故」ではなく「人類史に残る原子力災害」だという認識を全国民の共通認識とするよう今後とも努力していきたい。



もくじへ


骨になって、やっと古里に永住、福島の苦悩は続く

 「福島の冬は、しんしんと雪がふるが、放射能も音もなく、降り注いでいる」これは住む場所を矢った、川房の人たちが避難先で発行するミニコミ紙「川房通信」に載った詩の一節だ。東電福島第一原発事故から4年となる。福島では、今も12万人近くの人たちが避難を強いられている。

 「川房通信」の舞台、南相馬市小高区川房地区の墓地には、原発事故後に新たに名前が刻まれた墓誌がある。避難先で最後を迎えた人たちが、骨になってようやく、まだ住めぬ古里への「永住」を果たした。どんなに無念だったか。避難先に散り散りとなった約300人の住民の絆を繋げようと、ミニコミ紙「川房通信」には、これまで、11人の訃報が載った。編集者の中里範忠さん(76)=北海道富良野市に避難中=は、「自分の先も分からない、骨箱に入って古里に帰ることになるかも、敵は東電や国だけでない、避難者は時間とも闘っている」と語る。原発事故でコミュニティーが破壊されると住民は避難民化する。

 しかし、いまだ東電は事故とは言わない、あれは自然災害との認識に立つ、東電労組も同じ立場だ。が、福島原発の爆発はれっきとした事故である。

 被災地の状況は地元紙を読むしか手段はない。政権寄りの全国紙の紙面からは、まるで「原発事故はなかったことにしよう」、「忘れよう」が行間から聞こえてくる。時の為政者が広島、長崎、ビキニ環礁での被爆を小さく見せた手法と同じだ。しかも、責任は東電と原発を推進した国にあることは明々白々であるが、東京地検は事故から2年後に、福島原発事故をめぐって業務上過失致死傷罪などで告発された東電や東電関係者、政府関係者らを不起訴処分にした。

 いったい誰に責任があるのか、明白にされないまま、日々が過こされている。こうしたなか、経済団体の3トップが総選挙で勝利した安倍首相を訪れ、原発再稼働を要請している。安倍首相は福島県民の塗炭の苦しみを理解しているのか。自衛隊の軍備増強を福島の復興より優先する施策には唖然とするのは私だけではないだろう。

 そんな中でも、福島の悲しみに寄り添う人が大勢いる。
 その一人が脚本家の倉本聰さん。「古里が放射能で汚染され、帰りたくても帰れない人たちがまだ福島にいる、私たちは寄り添い続けるべきだ」と「ノクターン 夜想曲」と題した演劇を全国で公演して福島県民を励ましている。

子どもを見捨てるのか

 福島の小児甲状腺がん発症率が316人に1人とベラルーシを超える世界最悪の状況と言われるが、マスコミは報道をしない。福島に限らず近隣の県にも影響は避けられない。しかし、国は見捨てるつもりだ。

 米国では12年12月にアメリカ軍の兵士8人が「放射能を浴びた」として東電を提訴した。これとは別に米軍兵士100人が「放射能被ばくして病気になった」として、東電に10億ドル(約1000億円)を請求した。福島県民には冷たいが、この訴訟、いったい国はどうするのか。

 いま、国内の原発は稼働してはいない。しかし、原子力空母、原潜の原発は動いている。軍用原子炉は95%の高濃縮ウラン(原発は5%)を使用する。

 これが事故を起こせば(想定されるのは、大津波発生で空母や原潜が陸上に揚がり、原子炉冷却が出来なくなること)関東には完全に人が住めなくなる。「福島」は始まったばかりだ。(葛西建治)



もくじへ


危機を迎えた沖縄 安倍強権政治との闘い

藤森 研(専修大学教授)

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設問題で、安倍政権は「今夏の埋め立て着工」をにらみ、ボーリング調査を再開した。沖縄の人たちが20年近く阻止してきた辺野古新基地の建設が、いよいよ眼前に迫ってきた。現地の緊張は高まっている。海上では、調査阻止のため立ち入り禁止区域にカヌーを漕ぎ入れる市民を、待ち構える海保などが実力で排除する。陸上のキャンプ・シュワブのゲート前でも、反対派リーダーらを逮捕し、反対派テントを撤去しようとするなど、当局の実力行使が強まっている。

 テント撤去は、菅官房長官が沖縄総合事務局などの幹部を首相官邸に呼び、直接指示したことが明らかになっている(沖縄タイムス2月27日付)。

民主主義のルールを壊す強権政治

 だが、辺野古新基地建設反対は、沖縄県民多数の固い意思である。昨秋の知事選で反対を掲げ「オール沖縄」に支えられた翁良雄志氏が、賛成派候補を10万票近い大差で圧し、12月総選挙でも反対派が沖縄の小選挙区すべてを制した。しかし安倍首相も菅官房長官も、面会を求める翁良知事に会おうともしない。沖縄の人々の意思を無視し、問答無用の強権的な建設推進を「粛々と」政府が進めているのが、日本の現状だ。

 海上で抗議を続ける芥川賞作家の目取真俊氏は、「民主主義というルールを、いま政権が自らの手で壊している。そして、憎悪と怒りを沖縄じゅうにばらまいています」と語る。護憲を掲げながら、沖縄の基地負担には無関心な人にも、目取真氏の視線は厳しい。沖縄民衆への強圧に、本土の人々から大きな声が上がらないのは、なぜなのだろう。

 最大の理由は、事実をよく知らないからだと思う。本土にも基地はあるが、全国のO・6%の面積の県土に米軍専用施設の74%が集中し、騒音や墜落、米兵の事件に沖縄の人たちが特別にさらされているのは、明らかに理不尽だ。安保条約は必要だとしつつ、基地負担は沖縄に押し付けている多くの国民の姿は、登山隊全員の荷物を1人だけに背負わせ、他の者は手ぶらで山登りを楽しんでいる図だ。

沖縄経済に占める基地依存率はわずか5%

 「人口過密の普天間基地を、辺野古へ移設するのは一歩前進では」という意見がある。しかし、97年の米国防総省資料は、辺野古新基地の運用年数を40年、耐久年数は200年が必要と試算している。全く新たに半恒久的な米軍基地が、また沖縄に造られるのだ。普天間基地問題の解決には、国外、県外移設や撤去など他にいくらでも選択肢がある。

 「地政学的に、基地は沖縄でないと」ともよく聞く。しかし沖縄の海兵隊を運ぶ船は佐世保にいる。元々海兵隊は岐阜県と山梨県に駐留しており、沖縄に移転したのは56年だ。「沖縄でなければ」とする論拠は薄いことを屋良朝博氏は『砂上の同盟』で喝破している。

 沖縄は基地経済で食っている、との誤解もある。沖縄経済の基地依存率は低下し、今は5%にすぎない。返還された基地跡が大規模商業施設に変貌するなど、雇用効果は返還された方がずっと高い。知事選で翁長候補が「誇りある豊かさを」と訴えたのは、そのことだ。米軍に勤務していても翁長候補に投票した沖縄の人も多い。

小異を超え平和と民主主義を守る

 では、何をすべきなのか。

 沖縄に関心を持ち、事実を知れば知るほど、沖縄の人たちがなぜあれほど新基地建設に反対するのかが理解できてくる。沖縄戦の経験や、米軍の「植民地意識」の問題もある。まず事実を知り、多くの人々の誤解を解き、理不尽に対する批判を広げることであろう。

 安倍政権が沖縄に対して今やっていることは、民主主義と平和に反している。問答無用の強権政治は、次に平和憲法などにも向かってこよう。小異を超えて平和と民主主義を守る「オール日本」を、沖縄・本土一体でつくり上げ、安倍政権自体を倒す運動も進めたい。(元朝日新聞編集委員)




もくじへ


鈴木彰の「隠滅へ総理が『ヤジ』で指揮をとる」




もくじへ


太郎の部屋のほっとたいむ 29

ブレヒトの名作「肝っ玉おっ母とその子供たち」

鈴木太郎(詩人・演劇ライター 中新井在住)

 ブレヒトの名作「肝っ玉おっ母とその子供たち」は何度も上演されてきた。そして、何度もみているが、そのなかでいちばん印象に残っていたのが東京演劇集団風の舞台であった。辻由美子の代表作となっているだけに、彼女が幌のついた荷車を引いて歩く、そして明るく歌う熱演が毎回、感動を呼んでいるのである。これまでの上演回数は学校公演を中心に450ステージを超えている。

 今回は文化庁の「文化芸術による子供の育成事業−巡回公演事業」として静岡県下の学校を巡回したあとの凱旋公演であった(3月13日〜15日、レパートリシアターKAZE=東中野=14日所見)。

 テーマは30年戦争(1618年〜1648年)というドイツにもスウェーデンにも関連のある信仰戦争に翻弄される人々の姿を描いている。

 横に長い空間をつくり、平地を幌のついた浮いた荷車が動くのである。客席との距離は間近である。俳優たちの息遣いが伝わってくる。冒頭は1624年春。行商をする肝っ玉おっ母と3人の子どもたち。徴兵係が息子を軍に勧誘する。おっ母は反対するが、結果的には息子たちは軍隊に入る。娘のカトリンはことばがしゃべれない。そんな娘と行商を続けるおっ母。戦場に生きる庶民の姿をとおして戦争の悲惨さ、人間性の価値判断などが問われていく。深刻さのなかでおっ母の不屈のおおらかさかに励まされているのだ。白根有子、酒井宗親、栗山友彦、清水莱穂子らが好演。




もくじへ


連載・沖縄通信

日米政府の無法な沖縄弾圧

原田みき子(沖縄県本部町在住)

 3月12日、春のきらめく辺野古の海に再び杭が打ち込まれた。県民にとって心臓がえぐられるような光景だ。世界遺産登録を目指す美しい海は、二百年も使用できるという強大な新しい基地建設のために、再び無残な掘削作業で破壊され始めている。

 全県から連日抗議する市民が駆けつけ、数百人の集会が開かれているさ中、国はあらゆる強権を発動して市民運動を押さえ込み、遮二無二基地を造ろうとしている。デモや座り込みは「表現の自由」として憲法で認められているはずだが、国は容赦なく罰する。

 2月22日、リーダーである沖縄平和運動センター議長の山城博治さんと市民ひとりを逮捕した。

 この日は数千人規模の県民集会が予定されていて、普段より多くの県民が集まっていた。集会が始まる前に米軍は二人を基地内に引きずって行き、両手をフェンスに後ろ手に縛って、県民に見せしめのようにさらした。一部始終を見ていた人々は「山城さんは基地に向かって抗議する群衆に『落ちつけ。基地内に入ってはだめだ』と説得していたのに、いきなり米軍の警備員数人に両足をつかまれてずるずる基地の中に引きずられて行った。頭をボコボコ地面に叩きつけながら」と青ざめて語った。二人はその後、名護署に移送され、日米地位協定の実施に伴う刑事特別法違反の疑いで逮捕、送検された。

 恐ろしい弾圧である。日米政府が一体となって住民運動を潰しにかかっているとしか思えない。これが民主主義を標榜する国のやることだろうか。アメリカも日本もメンツ丸つぶれであろう。平和を願って基地建設に抗議する運動は世界に共感を呼んでいる。辺野古には海外のメディアも取材に訪れる。国連に向けて沖縄の現状を報告する活動も活発になっている。早晩、日米の無法な沖縄弾圧は世界の批判を招くであろう。海では相変わらず海上保安官の暴力が続いている。3月12日のボーリング調査に抗議するためにカヌーで大海に漕ぎ出した27歳の女性は「どんなに海水を飲まされても声を上げる」と語った。喫茶店を開くのが夢という彼女は小柄で笑顔が可愛い。屈強な海上保安官に両肩をつかまれて、何度も海中に頭を突っ込まれる。苦しくてたまらないはずだが弱音を吐かない。彼女たちを見守る陸上の応援団も「無事で帰ってきてね」と祈らずにはいられない。いつまで沖縄は苦しめられるのか。いつになったら彼女は喫茶店を開けるのか。沖縄は問う。




もくじへ


コ一ヒーブレイク

薬草料理

 ずいぶんと前でしたが、和田はつ子の『藩医 宮坂涼庵』という小説を読みました。「救荒草木図」という章で、どこにでもあるような雑草が食べられることを知り、それ以来、目にする雑草に興味を持っています。

 最近、小岱山薬草の会が発行している「薬草料理レシピ読本」という冊子を貰いました。それには薬草の効能と38の料理が紹介されています。

 効能は、【クズ】血流促進・血糖値低下、【タラの芽】喘息・血糖値低下、【ウコギ】血糖値低下、【タンポポ】健胃・整腸、【ノビル】強壮、【メナモミ】高血圧、【イノコズチ】血液浄化・リュウマチ・関節痛・利尿、【ヤブカンゾウ】利尿・腫物、【ベニバナホロギク】胃腸の働きを促進、等々。

 料理は、簡単そうで酒のつまみに好評というのが「タンポポのべ一コン巻」。タンポポの葉つば2枚ほどを、スライスしたべ一コンにぐるぐると巻いて楊枝で止め、強火のフライパンで焼き、塩・コショウで味を調えます。「イノコズチの天ぷら」というのも簡単そうです。洗って水気を振り落した葉に薄力粉を薄くまぶして揚げるだけ。みじん切りにした生のハコベをすり鉢ですってぺ一スト状にし、塩を加え、電子レンジで水分を飛ばして天日乾燥させて“ハコベ塩”を作っておき、これを振りかけて食べれば高級料理屋の一品と言えそうです。ナズナのお浸しはもっと簡単で、それこそ湯がいて鰹節にお醤油。

 ところで、タンポポの葉は誰にでも見つけられると思いますが、イノコズチは御存じでしょうか。秋になると穂先に付けた逆針のとげがズボンや袖にくっついてなかなか取れない、あれです。ナズナはぺんぺん草。

 いずれも春先に出たばかりの葉を利用するのでこれからが薬草料理のシーズン。願わくば排気ガスを浴びていない葉を摘みたいものです。

原 緑




もくじへ


「NHK朝ドラだけが平和主義?」拡がる、籾井会長N0の世論

門目省吾(「NHKをただす所沢市民の会」)

1 驚愕のNHK会長発言

 私たちは、2月10日、NHK経営委員会に対し、籾井勝人会長更迭を求める3回目の「要望書」を提出しました。私たちが、所沢市民200人の意志として、NHKを訪ね、「NHK籾井会長更迭」の要望書を提出したのは、昨年の2月10日でした。会長就任の記者会見での発言「政府が右というのに、左というわけにはゆくまい」「従軍慰安婦はどこの国にもあった」など、公共放送のトップとして、許される発言ではありませんでした。私たちは、この会長発言に耳を疑いました。メールで、電話で、集まりで、「NHKに抗議しようしという声が大きくなり、「NHKをただす所沢市民の会」(共同代表 高橋玄洋、浜林正夫、最上光宏、松樹偕子、持丸邦子、森生郁代、門奈直樹)を結成し、NHKを訪ね、経営委員長に会長更迭を強く求めました。

 「NHK籾井会長の退任」を迫る市民運動は、いま、関西を中心に全国に拡がってきました。

2 広がる「会長罷免」の大合唱

 3月9日、NHK会長の罷免を求める市民団体が大結集しました。屋久島から秋田までの26団体、140人が参議院会館に集まり、情報交換をしながら、公共放送NHKの危機を語り、会長罷免のアピールを採択しました。「放送を語る会」「日本ジャーナリスト会議」が主催したこの集まりには、協賛団体として、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティー、マスコミ9条の会のほか、地域の団体として、所沢、京都、大阪、茨城、さいたま、兵庫、屋久島、滋賀、奈良、広島、岐阜、練馬、山梨、秋田など26団体が、連名しています。

 「放送を語る会」「日本ジャーナリスト会議」「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティーなど7団体で取り組んできた「百田、長谷川両経営委員及び籾井会長罷免要求」の署名は73,904筆に達しました。

3 市民団体がNHKに申し入れ

 3月9日の院内集会に先立って、主催者の「放送を語会」「日本ジャーナリスト会議」は、賛同団体とともに、NHK経営委員会に10回目に当たる署名簿(4,812筆)を提出、全国各地からの「籾井会長罷免要求」の声を届けました。この申し入れには、各団体の代表26人が参加、籾井会長のもとで、NHKの報道が、批判精神を喪失していることへの危惧が厳しく指摘されました。1時間半に及ぶこの申し入れでは、私たちが、広い部屋を用意するように通告していたにも拘らず、会議室の準備がなく、2回に分けての申し入れとなり、NHK側の不誠実な態度に批判が集中しました。

4 NHK退職者が「公開質問状」

 すでにNHKを退職したOB・OGたちの有志は、NHK経営委員会に対し、昨年6月から、「籾井会長の更迭」を求め続けてきました。会長の任命権者である経営委員会にその責任を果たしてほしいという要求です。賛同者が、2000名を超えたことを期して、その名簿を届けると同時に、「公開質問状」を提出し、「籾井会長罷免」の世論が日毎に高まっている事態をどのように受け止めているのか、経営委員会としての明確な意思表示を文書で回答してほしい旨申し入れをしました。

 昨年9月に始めた「籾井会長罷免要求」のハガキ運動は、退職者たちが、友人・知人に働きかけ、全国に広がり、賛同する市民たちが自主的にハガキ運動に参加するなど、1万人に達する規模で展開されています。

5 「ハイヤー問題内部告発なければ闇の中」

 会長の言動だけが問題なのではありません。籾井氏はNHKの放送の編集責任者なのです。NHK職員が、会長の意志を忖度して仕事をすることがあっても不思議ではありません。たしかに、「放送を語る会」の調査によれば、最近のニュースや報道番組から批判精神が薄れ、政局の動きだけを追う放送が多くなってきているといいます。NHKの朝の連ドラ「マッサン」が健闘していますが、「朝ドラだけが平和主義」では「国民の知る権利」に応えているとは言えません。

 籾井氏の自宅と小平市のゴルフ場をハイヤーで往復し、4万9585円をNHKが支払ったという事実も内部告発がなければ闇の中です。私たちは、中で闘っているジャーナリストたちを信じて、外から声をあげ続けます。




もくじへ


私の川柳

山本 映(山口在住)


公約も当選すれば宙に舞う

年金の歩幅で暮らす老いの知恵

飼い主を選ぶ自由のないペット

生きるより生かされている薬漬け

誕生日妻に健康贈りたい




もくじへ


BOOK REVIEW

●「詩集 石の言葉」

会の代表委員の一人、中原道夫氏(詩人会議、上新井在住)が、14冊目の詩集「石の言葉」を土曜美術社出版販売から上梓しました。

 中原道夫さんの新しい詩集「石の言葉」という題名からして、物言わぬ石に語らせたいことは何か、そんな思いをして頁を繰りました。次の詩を読もうとするとき、次はどんな世界に連れていってくれるのか、ひそかな期待にときめきながら読みました。

 『峠』ここに出てくる少年は中原さんの今が、少年になって表れたのだろう。「この世のすべてを遍く照らす空」を表す所は「峠」でなければならなかった。そして、そこには「小さな童が神の微笑みのように咲いて」いなければならなかったから。この詩が、美しい自然を謳っているが、その中で咲く花「董」には特別の思いが感じられるのです。

 『あたり前』「あの日、船が海へではなく陸に向かって走っていったのも」の一節を読んでいるとき、何を言っているのかと、しばし頭の動きが止まりました。そして、「秋の風」「美しいうろこ雲」のある、「そんなあたりまえがいい」に納得するのでした。

 『剃刀』床屋に入って髭を剃ってもらっていて、異常な世界を連想するなんて、ちょっとおかしいんじゃないと思わせられた。だが、「外に出ると剃刀より恐ろしい『原発再稼働か?』と書かれた新聞が駅の売店で売られてた」と現実の異常さに気づかないあなたは、「どう生きていますか」と問いかけてくるのです。

 『うしろ姿』「一それは母に似てて一」と謳うとき、男の世界はずっと後ろに隠れてしまう。それが男というものかと思いながら「ーなんだかね、おまえのうしろ姿を一とても尊いものにみえてきて」と謳われると、素直に生きようとする男を意識させられるのです。

 この詩集、たくさんの人に読んでもらって感想を話しあったら、自分のなかの思いがけないものの発見につながるのではないか。多くの人に読んでもらいたい詩集です。 (鴨川孝司)

発行所 土曜美術仕出版販売 定価本体2500円十税 〒162−0813新宿区東五軒町3−10 рO3−5229−0730

●「戦争は秘密から始まる」

 日本新聞労働組合連合(新聞労連)が刊行
 14年12月10日、秘密保護法が施行された。今まで行政などに情報請求しても、黒塗りだらけの情報が出てきたり、そもそも秘密だらけの状況だった。そのうえ、なにが「秘密」になるのかわからないのだから、「屈せず、臆せず、したたかに〜在日米軍取材から」こんな記事は読めなくなるという事態が起きてもおかしくない。本書は、第一線で活躍する新聞記者たちが今まで書いた具体的な記事を通して、国民の知る権利が危機に直面していることをリアルに伝える。

 申込先 合同出版株式会社 〒101−0051 千代田区神田神保町1−44  п@03−3294−3507 FAX 03−3294−3509 定価 本体700円十税 全国書店でも購入できます。




もくじへ


紹 介

「日本と原発」上映会

 福島原発告訴団の弁護士さんたちが制作した映画です。2時間20分の長編が、静かなブームを巻き起こしています。これだけの大参事を起こしながら、誰も責任をとろうとしないこの不思議。大津波の予測が国も東電もわかっていたことが実証されても、なおー想定外の事態ーといって起訴しようとしない検察。映画は、数々の映像記録と証言をもとに、これらの事実を白日の下に曝していきます。

 4月30日(木)午後2時から、所沢市小手指公民館分館ホール。前売り券500円(当日券600円)です。連絡先・門目(090-2907-9405)




もくじへ


トップページへ